第5回世界選手権最終日は7月18日(日本時間19日)、米オハイオ州カントンのトム・ベンソン・スタジアムで決勝を行い、日本(世界ランキング3位)は米国(同1位)に12―59で敗れ準優勝だった。米国は、初めて出場した2007年大会から3連覇を達成した。


 米国は第1クオーター3分18秒、日本のQB加藤翔平(LIXIL)のパスをインターセプトしたLBデービッド・ガスリーが75ヤードのリターンTDに結びつけて先制。米国はこの試合で守備陣が4TDを挙げた。


 日本は、第2クオーター9分4秒に、QB加藤からWR宜本潤平(富士通)に25ヤードのTDパスが決まり、この試合初得点。第3クオーター4分31秒には、DL冨田祥太(オービック)が相手のファンブルしたボールをエンドゾーンで押さえてTDを挙げた。
 しかし、途中負傷退場した加藤に代わったQB高田鉄男(パナソニック)が、激しいラッシュに遭いボールをファンブルするなど、攻撃のミスがことごとく失点につながった。


 大会の最優秀選手は、米国のWRトレント・スティールマン。日本からはWR栗原嵩(IBM)、OL勝山晃(富士通)、DB砂川敬三郎(オービック)の3人が大会のベストメンバーに選出された。


     1Q 2Q 3Q 4Q 合計
日 本  0  6  6  0  12  
米 国  16 22  7 14  59


 3位決定戦は世界4位のメキシコが同5位のフランスを20―7で下し、5位決定戦は同6位のオーストラリアが42―14で同7位の韓国に快勝した。


 【日本代表・森清之ヘッドコーチの話】
 完敗。とても悔しい。今日の試合の中で、こうすればよかったとかいう問題ではない。今回の米代表は川崎大会やオーストリア大会に比べてもだいぶ強いチームだが、これがベストのチームかといえば全然そんなことはない。そういうレベルの米代表に、このスコアで負けるというのが今の日本の実力。個々の選手がフィジカルを中心にもっと強くならなければいけない。


 【日本代表・大橋誠ディフェンスコーディネーターの話】
 ある意味何もできなかった。いろいろな意味で目の当たりにしたなという感じで、これをどのように受け止めて、どう対処していくのか。それをみんなで考えていかなければいけない。


 【日本代表QB加藤翔平の話】
 自分たちの取り組みでは、まだまだ差があると感じた。(インターセプトは)比較的単純なパスルートのパスだったが、LBが警戒している中に素直に投げ込んでしまった。オンタイミングであれば、レシーバーのだれか一人はどこかで勝っているのでパスは決まると感じた。


 【日本代表WR木下典明の話】
 今回のアメリカチームが、今日の試合でようやく本気になったということ。その本気になったアメリカを想定できなかったのが、今の日本の実情なんじゃないかと思う。日本全体のレベルを上げていかなければいけないと再確認した。


 【日本代表DL脇坂康生の話】
 今の日本代表ができることは、すべて出し切ったと思っているので、悔いはない。ただ、強いて言うならもう少し(米国に)近づきたかったという思いはある。それはこれからの課題。日本も若い選手が育っているので、次の世代に期待したい。


 【日本代表OL小林祐太郎の話】
 正直に言って悔しさでいっぱい。自分の力が足りなかった。課題はフィジカル。テクニックは通用したけれど、フィジカルの部分が厳しかった。


 【日本代表WR栗原嵩の話】
 米国はやっぱり、純粋に強かった。オフェンスが序盤で自滅したらこういう展開になるのは分かっていた。最初のドライブはいいリズムだっただけに、あのインターセプトは痛かった。差はあるけれど、こういう敗戦を2回経験できたのは大きい。


 【日本代表LB鈴木將一郎の話】
 個人個人では戦える部分も出てきている。次回の米国との対戦に向けて、ジャパンは進化していかなければならない。自分自身は、初戦よりは良かったとは思うが、あまり役に立てなかった。申し訳ない。相手OLの裏を取れるような感じならパスプロの中に入っていけるのだが、前でピックされてしまうとそこまでで終わってQBまでは届かなかった。


 【日本代表RB李卓の話】
 世界の舞台に立って、自分がまだまだ未熟だと感じた。いつかリベンジしたい。課題はいっぱいあり過ぎて、これというふうには言えない。


 【米国代表ダン・ホーキンス・ヘッドコーチの話】
 選手はとてもスマートにプレーをし、コーチたちも素晴らしい仕事をしてくれた。試合を重ねるごとにチームはよくなり、すべての面で完璧な試合を目指してきた。(82―0で勝った)準決勝のフランス戦と今日の日本戦ではそれが実行できたと思う。


 〈中村多聞の目〉
 国と国のプライドをかけた本気の試合を1週間で3試合はタフ過ぎます。ましてや米国と2試合。もし僕が選手だったら到底無理な日程ですね。参加国はみな同じ条件かもしれませんが、米国選手以外は不利です。
 米国だけは最強のメンバーではなく、地域で負けはおろかボロ負けを経験したことのある人も多く参加しています。


 しかしその他の国はフットボールを始めた時から、スグにレギュラーとなりきらびやかな選手人生を送っている人がほとんどです。底力の見えないほど強大な敵に立ち向かった経験がほとんどありません。
 どれだけ必死のパッチで準備し、練習し、そしてゲームで勝負に出ないといけないか。短期間では、十分に用意できていなかったのではないでしょうか。
 自分より強い選手と対決した経験が少なすぎたのが、今回日本の弱点としてそのまま出てしまったように思います。


 試合展開としては、日本の攻撃のちょっとしたミスにつけ込まれ、それが全て失点につながってしまったのが非常に痛かった。点差がついた時に、果敢に2ポイントコンバージョンやオンサイドキックといった、勝ちにいく姿勢は素晴らしかったと思います。


 この敗戦を糧に、強い相手と対峙する場合の心構えと準備の方法を日本代表は学べたのではないでしょうか。
 選手のみなさんはゆっくり休んでほしいですね。エキサイティングな1週間を送ることができて、とても感謝しています。(元NFLヨーロッパRB 2000年度日本選手権最優秀選手)

【写真】第1クオーター、RB高木が中央を突くがタックルされる=撮影:Yosei Kozano