第5回世界選手権第3日は7月15日(日本時間16日)、米オハイオ州カントンのトム・ベンソン・スタジアムで3試合を行い、上位グループの日本(世界ランキング3位)は、準決勝でメキシコ(同4位)に35―7で快勝、2勝1敗(カナダ戦は不戦勝)とし、日本時間19日午前8時キックオフの米国(同1位)との決勝に進出した。米国はフランス(同5位)を82―0で圧倒した。
 日本は今大会、12日の対戦で米国に18―43で敗れており、19日の再戦では3大会ぶりの優勝を目指す。3位決定戦はメキシコとフランスで争われる。


 日本は第1クオーター1分18秒に、QB高田鉄男(パナソニック)からWR栗原嵩(IBM)への70ヤードTDパスで先制。同10分31秒に、再び高田が栗原へ10ヤードのTDパスをヒットし、第2クオーター終盤には、高田からWR前田直輝(LIXIL)への17ヤードTDパスで加点し、前半を21―0で折り返した。


 第3クオーター、メキシコに1TDを返されたが、DB三宅剛司(オービック)が相手のパスを2度インターセプトするなど守備陣が奮起。第4クオーターは、RB高木稜(IBM)李卓(慶大)がゴール前からランでTDを挙げ、点差を広げた。


     1Q 2Q 3Q 4Q 合計
メキシコ  0  0  7  0  7
日  本 14  7  0 14 35  


 【日本代表・森清之ヘッドコーチの話】
 選手、スタッフ全員が最高の仕事をしてくれた。最初のキックオフでこちらのファンブルをOLの黒川(晴央=アサヒ飲料)がリカバーしたのが大きなプレーだった。決勝では、自分たちの力を出し切ることだけに集中したい。QBを走らせることも含め、総力戦で米国に挑む。


 【日本代表WR栗原嵩の話】
 最初のプレーでメキシコはスピード、ヒットの迫力がなかったので、TDまで持っていけるチャンスがあるなと思った。決勝では米国のCBとの一対一の勝負にこだわりたい。


 【日本代表DL脇坂康生の話】
 31年間フットボールを続けてきて、日本のフットボールを世界に知らしめたいと思ってきた。自分にとっては、これが最後のチャンス。持てる力をすべて出し切りたい。


 【メキシコ代表リベラ・サンチェス・ヘッドコーチの話】
 日本は戦術が巧みで、やりたかったプレーが遂行できなかった。我々は、フィジカルでは勝っていたが、他の要素で日本の方が優れていた。(3位決定戦の)フランスとの試合に向けて、気持ちを切り替えたい。


 〈中村多聞の目〉
 メキシコ代表の皆さん、そのレベルでは今の日本代表を倒すことはできません。「接触時の総合技術」そして体格も含めた「パワー感」はメキシコ選手が上回っていることもありましたが、フットボールはフィールドにいる11人の総合力で1プレー、1プレーを戦うので、ボールを持った時だけ集中したり気合いを入れるなどしても駄目です。


 コーチ対決に至っては、この点差どころではありませんでしたね。日本のコーチは自分たちが知っていること、やれることの30%も出さずしてこの結果です。決勝で再対決する米国をイメージしたゲームにすらならず、時間と体力の無駄でした。
 メキシコはアメリカに近い場所に住んでいるのだから、もっとしっかりフットボールを勉強してまた4年後に挑戦してほしいですね。プレーの選択、勝負所の見極め、チームの規律、この三つのクオリティーアップがなければ、日本との差はもっと開きます。


 次は予定通り米国との決勝です。相手も日本のメキシコ戦を分析し、日本代表の特徴というか得手、不得手の情報を蓄えたと思われます。前回のような作戦無用の正面衝突シンプルフットボールだけでは戦えないことも理解していると思います。
 米国と同じ速さのレシーバー、プロテクションの強いオフェンスライン、パス守備のスキーム、正確なパント。これらは対戦相手にとって非常に邪魔な要素でしょうから、米国もここでは勝負せず他を狙ってくることでしょう。


 そして、日本代表最大の弱点は「ハードなプレーで勝負され続けること」ですので「過去最強の日本代表」の名に恥じぬよう、スコアボードは気にせず最後まで勇敢に戦ってほしいと思っています。(元NFLヨーロッパRB 2000年度日本選手権最優秀選手)

【写真】試合開始のキックオフリターンで、WR木下がファンブルしたボールをリカバーするOL黒川=撮影:Yosei Kozano