第5回世界選手権第2日は7月12日(日本時間13日)、米オハイオ州カントンのトム・ベンソン・スタジアムで3試合を行い、上位リーグの日本(世界ランキング3位)は米国(同1位)に18―43で敗れ1勝1敗となった。米国は2連勝。


 初戦は対戦を予定していたカナダ(同2位)が棄権し不戦勝だった日本は、同じく米国に敗れカナダ戦は不戦勝のメキシコ(同4位)と、日本時間の16日午前4時30分キックオフの試合で、決勝進出をかけて対戦する。


 第1クオーター2分48秒に8点を先制された日本は、第2クオーター3分31秒にK佐伯眞太郎(パナソニック)の36ヤードFGで3―8。その後米国に1FGを追加され、前半を3―11で折り返した。


 第3クオーターに2TDを許した日本は10分23秒に、QB加藤翔平(LIXIL)からハンドオフを受けたRB古谷拓也(オービック)が、TEに入っていたDL紀平充則(立命大OB)へ1ヤードのTDパスを決めた。
 守備陣も、DB辻篤志(パナソニック)藤本将司(オービック)が要所で相手のパスをインターセプトするなど健闘した。


 第4クオーターに入ると、パワーに勝る米国が着実に加点した。日本は残り試合時間1分9秒に加藤からWR林雄太(アサヒビール)へ25ヤードのTDパスが通り18―43。キックオフでのオンサイドキックで、WR栗原崇(IBM)がボールを確保するなど、随所にうまさを見せたが及ばなかった。


     1Q 2Q 3Q 4Q 合計
日 本  0  3  7  8  18  
米 国  8  3  14 18  43


 下位リーグは、世界5位のフランスが同6位のオーストラリアに53―3で快勝。世界8位のブラジルは同7位の韓国を28―0で下した。


 【日本代表・森清之ヘッドコーチの話】
 このような結果になり、とても残念だ。米国はいいチームだが、我々にもチャンスのある試合だった。すべての面でもっといいプレーをすることができた。メキシコ戦に勝って、決勝で再び米国と対戦できるようにしたい。


 【日本代表QB加藤翔平の話】
 日本のWR陣はタレントがそろっているので、誰に投げても仕事をしてくれると思っていた。うまくいった部分もあるが、結果的にチームを勝利に導けなかったことが残念だ。


 【日本代表DB藤本将司の話】
 パスのスピードには十分対応できた。RBの強さは、やはり日本人にはないもので、止めるためには全員がさらにハードワークして集まる必要があるだろう。


 【米国代表ダン・ホーキンス・ヘッドコーチの話】
 前半我々はスロースターターで、FGをブロックされるなど苦しい場面もあったが、選手たちが我慢強く戦ってくれた。ハーフタイムにコーチ陣がうまくアジャストしてくれたのが大きかった。日本は緻密なアサインメントを選手全員が忠実に実行していた。特に、最後のオンサイドキックは完璧な遂行力だった。


 〈中村多聞の目〉
 二通りの考え方があって、一つは「スコア通り完全に力負け」で、もう一つは「決勝戦に狙いを定めた力温存」です。
 完全に力負けしているのであれば評論など無駄ですし、応援する我々日本人も救われません。ですから力を隠しているという方向で考えます。


 選び抜かれた日本最高のコーチ陣が何も考えず普通に戦い、ダブルスコアで負けるようなミスはしません。
 米国のメキシコ戦をスカウティングしただけでは解析し得なかった部分や、実際に日本選手と競い合った場合の速度やパワーの差、米国コーチ陣のインテリジェンス度合いなど、1勝を捨ててでも探り、あらゆる答えを得たことだと思われます。


 逆に米国側は「日本も意外とやるが、1対1の勝負に持っていけば勝つ確率が高い」と感じているでしょう。


 自分と同レベル、もしくは上の選手が猛スピードでプレーしているのを「PLAY HARD(激しくプレーする)」で処理しにいくという習性や訓練が不足していて未熟なのが日本フットボールの特徴であり、それを非常に重んじる米国フットボールに対抗するには「強い心と強い体を持つ選手が熱いプレーをする」ことが必要です。


 米国チームは小細工で対抗できるレベルではありません。逃げるプレーではなく、(アメリカ人の)体の中心めがけて最高にハードなヒットやタックルをして恐怖心を植え付け、気持ちが萎えてきた選手に「お前らどうした、もっとしっかりやれ!」なんてアメリカ人コーチに言わせることができれば、優勝も夢ではありません。


 プレーの巧拙より、どれだけ魂を込めたかを問う戦いをしなければならないと思います。頑張れニッポン。(元NFLヨーロッパRB 2000年度日本選手権最優秀選手)

【写真】第3クオーター、TDを挙げた米国代表RBウィンブリーを追う日本代表LB澤田(96)=撮影:Yosei Kozano