大阪を活動拠点にする女子アメリカンフットボールチーム「FFランガルズ」が3月2日、米領グアムで「グアム女子タックルフットボール・リーグ(GWTFL)」所属の「レディーレイダーズ」と対戦し28―8で快勝した。
 日本の女子フットボールチームの海外での国際試合は初めてで、3月22日には東京の「東京ブレイズ」と大阪の「ワイルドキャッツ」の合同チームが同じGWTFLの「レガシー」と親善試合を行う。


 今回は特別に11人制ではなく8人制、1クオーター(Q)12分で行われた試合は、FFランガルズのキックオフで始まった。
 レディーレイダーズがファーストダウンを重ねエンドゾーンに迫ったが、ゴール前3ヤードでQBがファンブル。これをリカバーしたFFランガルズは、タッチフットボールの大会で最優秀選手に選ばれた実績のある主将のRB東本幸子が、右のスイーププレーで97ヤードを独走して先制のTDを挙げた。TFPのキックはスナップが乱れたが、キッカーの岸田千春が落ち着いてボールを拾い、エンドゾーンに持ち込み8―0とした。


 その後、FFランガルズはQB山本衣里子がWRに入った岸田へTDパスを決め、第1Qで15―0とリード。第2Qには東本のTDラン(TFPキック成功)で追加点を奪い、前半を22―0で折り返した。
 第3Q終盤には、山本が自らボールを持ってTDを挙げ(TFPキック失敗)28―0。ディフェンスは、元女優のNT小栗絵里花、プロのキックボクサーのライセンスを持つDB長井由美らの活躍で相手オフェンスを封じ、第4Qに許した8点だけに抑えた。

         1Q 2Q 3Q 4Q  計
FFランガルズ  15  7  6  0=28
レディーレイダーズ 0  0  0  8= 8


 主将・東本幸子(RB/DB)の話 チーム結成から半年間「やらずに後悔より、やって反省」の精神で突っ走ってきた。「夢の舞台」実現のために。レディーレイダーズ戦は、まさに気迫と笑顔にあふれた夢の舞台だった。たくさんの方に教えてもらい練習してきたことを、今自分たちができる最大限のプレーをやり切った。仲間と積み重ねてきた信頼関係、お互いへの感謝の上に炸裂したプレーの数々。感動だった。ゼロからのスタートだったが、みんなの力で大きな一歩を踏み出すことができた。


 山本衣里子(QB/DB)の話 グアムでの戦いは未知の世界だった。今回勝てたのはディフェンスがしっかりと止めてくれてオフェンスに回してくれたことや、オフェンスもディフェンスのために点を取るぞ、という気持ちを誰が言わなくても全員がそう思っていたことが勝利につながった。


 井上明子(RB/LB)の話 アメフトを始めて1年半未満のメンバーが半分以上のランガルズだが、みんな向上心がありのみ込みが早いのに驚いた。たくさんの人に教えてもらい、アドバイスをいただいて強くなった。グアムの人の体格には正直圧倒されたが、いざ試合が始まり当たってみると、男子高校生と試合をした時の衝撃はなかった。心折れる試合ではなく、久々に前向きに臨めた試合で、楽しくて仕方なかった。


 小栗絵里花(DL/OL)の話 今まで自分より体が大きい女子選手と試合をしたことがなく、巨漢選手を前にセットした時は、未知との遭遇にワクワクした。ディフェンスの1プレー目にヒットした瞬間「いける」と思った。ランガルズのディフェンス陣はボールへの集まりが良く、ボールキャリアの周りがオレンジ色の番号だらけになる瞬間は、本当に頼もしかった。第4Qに失点し、シャットアウトできなかったのは悔しい。この素晴らしい舞台に立つ機会を与えてくれたランガルズの選手、スタッフ、支援者、ご家族、そしてレディーレイダーズとグアムリーグの皆様に感謝している。


 伏谷真悟コーチの話 チームが一つになり、自分たちのやってきた最高のフットボールができた。大きな相手の選手に対して、最後まで勇敢に立ち向かった結果が勝利につながった。グアムのフットボールは、本場ということもあり、体格を生かしたプレーが多く、とてもシンプルという印象。今回の単体での遠征もいいが、「日本代表」という形で世界と戦い、日本の女子フットボールが今以上に発展することを願っている。


 【GWTFL】
 2012年4月に4チームが参加して設立された、フル装備で行う女子のタックルフットボール・リーグ。現在は8チームで構成されている。「安全に楽しくプレーする」をリーグのコンセプトとして掲げている。

【写真】チームの攻撃をけん引したランガルズのQB山本(9)