9月7日の全米大学フットボールで、1試合の入場者数新記録が生まれた。ミシガン州アナーバーの「ミシガン・スタジアム」で行われた、ビッグ10の雄ミシガン大と、名門独立校ノートルダム大の試合に、11万5109人が集まったのだ。従来の記録、つまり全米大学体育協会(NCAA)傘下の大学フットボールチームの1試合最多観衆記録は、2011年9月13日に行われたこの日と同じカード、ミシガン大―ノートルダム大の11万4804人で、2年後の今年これが305人更新された。


 試合はAPランキング17位のミシガン大が、地元の優位を生かして先手を取り、同14位のノートルダム大を徐々に引き離して41-30で勝った。


 新記録の要因としては、ランク校同士の対戦とか、全米的人気を誇るノ大を迎えたせいだとか、あれこれ理由が考えられる。確かにこうした条件が整っていたことも大きい。だが、アナーバーでの開幕戦によく客が入るのはいつものことで、2年前の記録もこうした条件の日であった。あるいはアナーバーの東4、50キロに広がる大都市デトロイトの破産という暗い話題を、フットボール見物で吹き飛ばそうと、考えたファンが多かったせいだとすれば、それはそれで結構なことではある。


 ともかく、入れ物としてのフットボール競技場ではミシガン・スタジアムは、全米最大である。中西部の名門リーグ「ビッグ10」のミシガン大が所有、管理。収容人員は10万9901人で、大学フットボールの最多観衆記録となれば現在、ここ以外ではまず考えられない。定員を5千人余りオーバーしているが、これも毎度のことなのが面白い。日本ならばこのような場合、すぐさま消防署の厳しい「お達し」とやらが出て、主催者側はかしこまってこれを受諾、入場制限に力を注がねばならないが、向こうでは国情が違って、その辺は全く無頓着である。


 2番目は同じく「ビッグ10」ペンシルベニア州立大所有の「ビーバー・スタジアム」。ペンシルベニア州ユニバーシティー・パークにあり収容人員10万6572人を誇る。3位はテネシー州ノックスビルの「ナイランド・スタジアム」で定員10万2455人。もちろん南東リーグ(SEC)のテネシー大の所有だ。


 そして4位に再び「ビッグ10」の強豪が続く。オハイオ州立大の「オハイオ・スタジアム」で10万2329人。場所はオハイオ州コロンバスだ。5位はSECの名門アラバマ大がアラバマ州タスカルーサに構える本拠地、あの栄光の名監督らの名をつけた「ブライアント・デニー・スタジアム」で10万1821人を収容する。6位には「ビッグ12」のリーダー、テキサス大の「ダレル・K・ロイヤル・テキサス記念スタジアム」。テキサス州オースティンにあり、10万0119人の観衆を収容する。競技場名は黄金時代の名将にちなんだ。


 ここまでが10万人を超す大きな入れ物である。いずれも大学のスタジアムということで、大リーグやゴルフなどの取材に特派された一昔前のスポーツ記者は、その建物に驚き、運営の実態にびっくりするのが普通だった。
 7位はカリフォルニア州パサデナのローズボウル。元日の同名のボウルゲームが開かれる巨大競技場として知られる。かつては年に一度のこのイベントのために整備されていたが、今では「太平洋12大学」(PAC12)の一つカリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)の常設スタジアムとなっている。

【写真】ミシガン大―ノートルダム大の試合に集まった大観衆=7日、ミシガンスタジアム(AP=共同)