11月19日に行われた関西学生リーグ最終戦、関学大―立命大の第2クオーターだった。
 自陣深くからの立命大の攻撃。QB西山雄斗選手が投げたパスに対し、関学大のベストCB横澤良太選手が有利なポジションにいるように見えた。


 しかし、ここから一伸びしたボールを驚異的な集中力でキャッチしたのは、立命大のWR近江克仁主将だった。
 自陣38ヤードまで前進。ピンチを脱するビッグプレーは、チームに勢いをもたらした。


 昨シーズン、リーグ戦に続き全日本大学選手権の西日本代表校決定戦でも屈した宿敵に21―7で雪辱したチームのリーダーが、身をもって勝利への執念を示した。


 ①「誰よりも努力すること」②「目標からぶれないこと」③「周りを見ること」
 「1回生の時から、自分が先頭に立つと決めていた」という近江主将は迎えた最終学年、自らが考えるリーダーシップの3カ条を、イヤーブックにこう記している。


 「彼は『いいから俺についてこい』というタイプのキャプテン。WRというミスが目立つポジションで、よくチームをまとめてくれている」。米倉輝監督の信頼は絶大だ。
 学生間のコミュニケーションを大事にしている。練習場から食堂のある大学の校舎まで移動する時間を惜しみ、ケータリングの弁当を用意し夜間もミーティングを重ねる。


 屈辱の2連敗から1年。12月3日には、2週間前と同じ大阪・万博記念競技場で関学大と甲子園ボウル出場を懸けて再戦する。


 海外で活躍する若き商社マンを連想させるスマートな佇まい。キリッとした語り口が印象的な好漢は、手負いのライバルの底力と怖さを誰よりもよく知っている。(編集長・宍戸博昭)

【写真】関学大との関西学生リーグ最終戦の後、チームメートに語りかける立命大の近江克仁主将=撮影:seesway