日本アメリカンフットボール協会の国吉誠新会長をインタビューして、将来のビジョンとともに興味深い話を聞いた。
 それは、車いすでプレーする〝アメリカンフットボール〟「ホイールチェアフットボール」の可能性についてだ。


 ホイールチェアフットボールは、米国の福祉団体が考案したスポーツで、1チーム6人でプレーする。
 例えば、手が動かせない選手は、投げられたボールが体や車いすに当たれば「パス成功」となるなど、障害の有無や程度によって細かいルールを設けている。


 障害者と健常者が車いすに座って一緒にプレーする画期的な競技であることを、国吉新会長は説明してくれた。


 京都市や川崎市などで体験イベントが開催されている。国内の統括組織である一般社団法人「Wheelchair Football Japan」の糸賀亨弥代表理事は、天理大アメリカンフットボール部OB。現在は京都外大のアドバイザーをしている。


 「参加者の大半はアメフトのルールを知らないが、試合を始めるとその面白さを実感している。激しいコンタクトはないが、実際にプレーしてみて興味を持ち、大学の試合を見に行くようになった人が多い。戦術に関しては、私より詳しい人もいる」と糸賀さんは言う。


 大学、社会人の第一線でプレーするには、一定レベル以上の運動能力が必要といわれるアメリカンフットボールの醍醐味を、障害を持つ人も体験できるとても魅力的なスポーツなのである。


 車いすバスケットボールやラグビーが、既にパラリンピックで実施されていることも、競技として発展する上で追い風になりそうだ。


 「今のところ、競技者がいるのはアメリカと日本だけ。ヨーロッパでも普及して、世界大会が開けるようになればいいと思っている」。糸賀さんは、将来の夢を語ってくれた。(編集長・宍戸博昭)

【写真】「ホイールチェアフットボール」の体験イベントで、参加者を指導する糸賀享弥代表理事=写真提供・Wheelchair Football Japan