Xリーグの東日本王者を決める「パールボウルトーナメント」は、「春の風物詩」としてすっかり定着した。


 この大会は元々、学生と社会人の強豪が対戦する親善試合「パールボウル」として、1976年に始まった。
 第1回大会は日大と企業チームの老舗「東京ヴァンガーズ」が、東京ドームができる前の後楽園球場で対戦。日大が21―6で勝っている。勝負より、競技の魅力をファンに知ってもらう意味合いが強い試合だったと記憶している。


 戦後復興を遂げた日本の1970年代の花形といえば、アパレル産業。「ヴァンガーズ」は、アイビールックで一時代を築いた「ヴァンヂャケット(VAN)」の創業者・故石津謙介さんの肝いりで1964年に誕生した。
 72年に初出場で甲子園ボウル優勝を果たした法大の主力選手らで構成したチームは、73年に単独でハワイ遠征するなど、日本のアメリカンフットボール界のリーダー的存在だった。


 アパレル関係ではその後レナウン、オンワードが相次いで創部。レナウンは日大、関学大、慶大の選手が中心になり、85年度に念願の日本選手権(ライスボウル)制覇を成し遂げている。


 ファッションとアメリカンフットボールは相性がいい。東京や大阪で、当時NFLで無敵を誇ったマイアミ・ドルフィンズのTシャツやトレーナー姿の若者が目立ったのも、70年代前半だった。
 ちなみに、NHKの朝の連続ドラマ「べっぴんさん」に登場するブランド「オライオン」はレナウン、「エイス」はVANをモデルにしているそうだ。


 昨年休刊になった専門誌「TOUCHDOWN」の全巻が、3月25日まで慶大日吉キャンパスで展示されている。
 雑誌を世に送り出した慶大OBの後藤完夫さんが、創刊号から全てを母校の図書館に寄贈したそうだ。


 懐かしい場面や選手。バックナンバーのページをめくっていたら、あっという間に時間が過ぎた。(編集長・宍戸博昭)

【写真】ヴァンジャケットの創業者・故石津謙介さんの肝いりで誕生した「東京ヴァンガーズ」