大相撲の新横綱稀勢の里関のアメリカンフットボール好きを、昇進を機に各メディアが伝えている。
 テレビでNFLの試合を熱心に見ているそうで、2013年の日本選手権(ライスボウル)の中継ではゲストとして放送席に座った。


 新横綱と鳥内秀晃・関学大アメリカンフットボール部監督との交流も、よく取り上げられている。
 大阪で先代から引き継いだ製麺業を営む鳥内監督は、毎年春場所で稀勢の里関の田子の浦部屋にうどんを差し入れている。タイミングが合えば、居酒屋で杯を傾ける仲だ。


 ストレートな物言いで知られる鳥内監督は「気がついたことはアドバイスしている」という。
 例えば「相撲の足の運びはフットボールのオフェンスラインと同じ。どちらかの足が浮いてバランスが悪いと相手を押せない。強い力士は、両足をしっかり土俵につけて相撲を取っている」。相撲の動きは、学生を教える上でとても参考になるのだそうだ。


 チームを強くすることと同時に「人を育てる」を指導の根幹に据える鳥内監督は、精神面の助言もしている。


 「フットボールもそうだが、勝つためにはまず相手を知ることが大切。彼には、それまでしていなかった出稽古を勧めてきた」「大関時代、大事な一番で負け続けてきた経験は必ず生きる。考えすぎず、思い切り相撲を取れば大丈夫」
 最高位の横綱として大きく構えて取組に臨めば、自ずと道は開けると見ている。


 ともに勝負の世界で生きる二人。関西人らしくユーモアを忘れない鳥内監督の人柄に、稀勢の里関もほっとするのではないか。
 19年ぶりに誕生した日本出身横綱が「大阪の師匠」の地元で土俵入りを披露する春場所は、3月12日に初日を迎える。(編集長・宍戸博昭)

【写真】昨年の春場所後に大阪で開かれたパーティーで再会した、関学大・鳥内秀晃監督と新横綱稀勢の里関=写真提供・鳥内秀晃さん