ボストンに住む友人によれば、ペイトリオッツのスーパーボウル出場で、地元は大いに盛り上がっているそうだ。


 弱小チームだったペイトリオッツが強豪として歩み始めたのは、2001年シーズンから。
 この年の9月、米国では「米中枢同時テロ」が起き、国内は極度の緊張感に包まれていた。NFLのシーズン開催そのものが危ぶまれる中で、初の王座に就いたのは「愛国者(ペイトリオッツ)」だった。


 ヘッドコーチ(HC)のビル・ベリチックとQBトム・ブレイディはその後、リーグ最強のコンビとして君臨している。
 昨季のプレーオフで、ボールの空気圧を規定より意図的に下げたとされる疑惑が浮上し、ブレイディは今シーズン開幕から4試合を欠場した。
 しかし、スキャンダルはチームの結束を生み、AFCの第1シード(14勝2敗)でプレーオフに進出した。


 規律を重んじ、選手を徹底的に教育するベリチック。スター選手を集めるのではなく、一から鍛えて自分の色に染める。
 感情にまかせてラフプレーで反則を取られた選手を、厳しく叱責する姿には「鬼監督」の風情がある。


 組織を俯瞰して決断し、進むべき道を指し示す「親分肌」と、割り切って選手を将棋の駒のように使う「戦術家」。最高峰のNFLでもHCとしての成功例は前者に多いが、ベリチックは両方を備えた希有な存在である。


 42年に及ぶNFLでのコーチ生活のうち、22年をHCとして過ごしてきた64歳の名将ベリチック、ドラフト6巡指名ながら持ち前の負けん気で超一流の司令塔になった39歳のブレイディ。
 二人が5度目の頂点を目指す、NFC代表ファルコンズとの「第51回スーパーボウル」は、日本時間の2月6日にテキサス州ヒューストンで開催される。(編集長・宍戸博昭)

【写真】スティーラーズとのAFCチャンピオンシップを制した、ペイトリオッツのベリチックHC(中央)とQBブレイディ(AP=共同)