甲子園球場の関係者入り口で記者証をもらい、まず向かう先はレストラン「蔦」。ここで大好きな「きつねうどん」を食べる。
 もう30年以上続いている〝儀式〟のようなものだ。そして、根っからの関東人はふと思う。「フットボールとうどんはやっぱり『関西風』かな」


 12月18日の第71回甲子園ボウル(全日本大学選手権決勝)は、関西学院大学と早稲田大学の顔合わせになった。
 ともに伝統校だが、学生日本一を懸けて対戦するのは今回が初めて。昨年まで関西勢が9連勝していて関東勢は分が悪い。


 関西リーグのライバル立命館大学に2度勝って、甲子園への切符をつかんだ関学。一方の早稲田は慶応大学と法政大学と勝率で並び、3チーム間の得失点差で上回り2年連続4度目の出場を決めた。


 戦前の予想は「関西学院有利」。他校を圧倒した関学と、やっとの思いで甲子園にたどり着いた早稲田。リーグ戦の足跡を見れば、当然そうなる。しかし、勝負は分からない。
 早稲田は昨年、立命にリードされながら猛烈に追い上げて1点差(27―28)まで詰め寄った。初優勝はならなかった。だが、それまでの関東のチームとはひと味違う、高い戦略性を関西のファンに披露した試合だった。


 「個人技の関東」「戦術の関西」と言われた時代は遠い昔。今はその両方を兼ね備えていないと頂点には立てない。
 早稲田が関東で連覇を果たした要因の一つに、相手の戦力を徹底的に分析する、いわゆる「関西風」の味付けをチーム作りに根付かせたことがある。相手選手のちょっとした癖まで調べ上げる。裏方スタッフの、手間を惜しまない努力が不可欠になる。


 立ち向かうのは王者・関学。相手に不足はないはずだ。涙もろいことで知られる早稲田・濱部昇監督が流すのは、うれし涙かそれとも悔し涙か。
 甲子園ボウル当日の西宮の天気予報は晴れ。フレッシュな対決として注目される大一番は、18日午後1時5分にキックオフを迎える。(編集長・宍戸博昭)

【写真】甲子園ボウルを前に記者会見し、記念写真に納まる(左から)関学大の鳥内監督、山岸主将、早大の松原主将、濱部監督=12月5日、甲子園球場