12年前のその日も雨だった。
 2004年12月4日、会場は長居陸上競技場。関西学生リーグの優勝を懸けて対戦した関学と立命のプレーオフは、延長の末立命がリーグ戦の雪辱を果たし、甲子園ボウルへの切符を手にした。


 12年後、同じ申年の2016年12月4日。雨の万博記念競技場での甲子園ボウル出場を懸けた西日本代表決定戦は、関学がリーグ戦に続いて勝利した。


 試合は後半、一気に緊張の度合いを増す。ファーストダウンを一度も更新できず、前半を0―20とリードされた立命が、見違えるように怒濤の攻めを展開する。
 第3クオーター、敵陣5ヤードまで迫るQB西山雄斗からWR渡邉綾介への54ヤードパスで試合の流れを引き寄せる。


 この好機に、エースRB西村七斗へのTDパスで7―20。さらにオンサイドキックを成功させて得た自陣47ヤードからの攻撃は、西村七のランを中心にテンポよく前進しエンドゾーンまで到達、14―20とする。
 第4クオーターには、1FGを加えて3点差に迫った。しかし、反撃もここまでだった。その後関学にたっぷり時間を使われ、勝敗を決するTDを許し逃げ切られた。


 「0対20になっても、選手たちは諦めていなかった。ハーフタイムでは(TD)3本で逆転できる。だったら取ろうということになった」
 雨でずぶ濡れになった衣服を着替えながら、立命の米倉輝監督は言った。


 6―22で関学に完敗した11月20日のリーグ最終戦の試合後、米倉監督が珍しく語気を荒らげて奮起を促したのはOL、TEのユニットだった。
 「お前らがやらなきゃ、ランも出ないしパスも通らない」。彼らは翌日の朝から猛練習を開始したという。


 日本一への道は閉ざされたが、立命のシーズンはまだ終わらない。12月25日には横浜スタジアムで関東学生リーグ1部TOP8の慶大との「TOKYO BOWL」がある。


 「皆さん(慶大のエースRB)李君と七斗の走り合いに期待しているのでしょうね」
 立命が昨シーズン学生王座を奪回した原点は、悔しさを胸に臨んだ2年前のこのボウルゲームだった。(編集長・宍戸博昭)

【写真】リーグ最終戦で関学に敗れ、選手に奮起を促す立命の米倉輝監督=11月20日・万博記念競技場