ボクシングの世界で、失ったタイトルを奪い返すために同じ相手と闘うことを「リターンマッチ」という。
 王者から挑戦者に立場が変わった「前王者」は、敗れた試合での失敗を踏まえてリングに上がる。


 関西学生リーグは12月4日に、リーグ優勝校の関学大と2位の立命大が甲子園ボウル(全日本大学選手権決勝=12月18日・阪神甲子園球場)の西日本代表の座を懸けて再戦する。
 会場は11月20日のリーグ最終戦と同じ、大阪・万博記念競技場。レベルの高い関西リーグの頂点に立つ2チームの「第2ラウンド」は、14時5分にキックオフを迎える。


 ボクサーが「ジャブ」を放つのは、次の有効なパンチへの布石だ。ジャブを出し続けることで、パンチのコンビネーションが出来上がり、体もスムーズに動く。
 ジャブは、アメリカンフットボールに例えるなら「ランプレー」だろう。これを出すことで、強烈なストレートやカウンターパンチに相当する「パスプレー」が生きてくる。


 防御技術の巧拙は、ボクシングの試合で明暗を分ける。「攻撃は最大防御」と胸を張り、攻撃一辺倒で世界王者になったボクサーは見たことがない。
 攻防のバランスは、アメフットでも大事な勝敗の要素になる。


 2004年のシーズン。関学大はリーグ戦で立命大を30―28で破り全勝対決を制したが、次節の京大戦で足をすくわれた。
 1敗で並んだ両校のプレーオフは延長戦の末、立命大に軍配が上がった。


 1シーズンで強敵に二度勝つ難しさは、関学大が一番よく知っている。「追われるより追う立場の方が有利」。スポーツ界ではよく聞く言葉である。


 お互いが高度な戦術を駆使する中で、予想もしなかった「ラッキーパンチ」が当たって試合の流れが一気に変わる。
 そんな展開もあり得る今回のライバル対決は、一つ一つのプレーが大きな意味を持つ48分間になる。(編集長・宍戸博昭)

【写真】立命大オフェンスの鍵を握るエースRB西村七斗