試合は関学のキックオフで始まった。京大最初の攻撃シリーズは相手守備の隙間を突き、テンポよく前進した。
 考え抜かれたプレー選択は「さすが京大」と思わせた。第1クオーター6分38秒、最後は3年生RB入山鼓選手が6ヤードを走り切って先制のTDを挙げた。


 11月6日に、神戸ユニバー記念競技場で行われた関西学生リーグ伝統の「関京戦」は、好ゲームを予感させる滑り出しとなった。
 しかし、京大の見せ場はその後訪れなかった。先行された関学が徐々に地力を発揮して、34―7でライバル対決を制した。


 リーグ戦1試合を残して2勝4敗。京大の西村大介監督は、淡々と語り始めた。
 「関学は、いつの時代も特別な存在。もちろん勝つつもりで臨んだが、がっぷり四つというわけにはいかなかった。今年は、京大史上で最もレベルの高いチームだと思うが、我々コーチが力不足だった」


 前任の水野彌一氏からバトンを受け継いだ西村監督は、就任から5年目を迎えた。その間、米国人コーチを招聘するなどチーム強化に向けて試行錯誤を続けてきたが、思うような成果をあげられなかった。
 「原点回帰」という言葉を何度も口にした。「結局、我々の強みは『強い当たり』であり、相手が嫌がる『痛いタックル』であることを再認識した。もう一度、原点に立ち返ってみたい」。監督として5シーズン指揮を執って得た結論である。


 「ギャングスターズ」は、間違いなく日本のアメリカンフットボール人気を支えてきた。だが、この日の観客は公式発表で3300人。かつては3、4万人がスタンドを埋めた「黄金カード」も、すっかり色あせてしまった。
 「京大が復活するには、ディフェンシブなチームを作ること。スキルポジションの選手を伸ばす方法は分かってきた。あとは…」


 帰り道、4年前の10月に京都の西京極競技場で行われた「関京戦」で、初めて西村監督と話をした時のことを思い出した。
 7―27で敗れた試合後「これから大学のグラウンドで練習です」と、当たり前のように言っていた。今回も神戸から京都に戻って練習するのかは、残念ながら聞き忘れた。(編集長・宍戸博昭)

【写真】関学との試合後インタビューに答える京大の西村大介監督=11月6日・神戸ユニバー記念競技場