スコアを見て驚いた。7対59。九州学生リーグで既に優勝を決めていた西南学院大が、リーグ最終戦で久留米大に敗れた試合結果である。


 西南大は、この試合に負けて4勝1敗で福岡大と1位で並んでも、直接対決で勝っているため、全日本大学選手権の西日本代表を決めるトーナメントへの出場が決まっていた。
 けが人を出したくないという思いもあって、メンバーを落として臨んだ試合だったようだ。


 友人でもある西南大の桑原直樹監督に問い合わせたところ、連盟には選手権に向けて下級生中心の布陣で臨むと伝えていたそうだが、相手は当然快く思わない。久留米大の選手のプレーは荒くなり、小競り合いも起きたという。


 「次」を見据え勝負を放棄した西南大の姿勢に憤りを感じる久留米大の監督や選手の気持ちは理解できる。
 リーグ戦はたったの5試合。4年生にとっては学生最後の試合で、腰が引けたリーグチャンピオンから挙げた勝利には感激も満足感もない。


 両校は長くライバルとしてしのぎを削ってきた。しかし、今季は久留米大が低迷し実力には大きな開きがあった。
 西南大としては主力を先発させ、ある程度点差がついた時点で下級生をフィールドに送り出す方法もあったはずだ。チーム事情はあるだろうが、多少無理をしても、そうした懐の深さを見せてほしかった。


 「リーグの盟主」として、加盟する全ての大学からリスペクトされ選手権に臨むという図式が理想だろう。
 それには、どんな試合でもベストを尽くすなどリーグの仲間への配慮も必要だ。今回の西南大にはそれが欠けていた。会場に足を運んだファンにも失礼だ。


 選手権での勝敗は、来季の試合開催権にも影響する。西南大は九州代表として、そうした部分でも責任を感じ主力を温存したのだろうが、「無気力相撲」とも言われかねない戦いぶりに、OBからも批判の声が上がっているという。


 「批判は真摯に受け止め、選手権では恥ずかしくない試合をするつもりです」
 決意を語る桑原監督が率いる「グリーンドルフィンズ」の選手権初戦は、11月19日に福岡の春日公園球技場で行われる。対戦相手は名城大(東海代表)と福井県立大(北陸代表)の勝者になる。(宍戸博昭)

【写真】11月5日に行われた九州学生リーグの西南学院大―久留米大=撮影:浦瀧恵美子