大切なのは「諦めないこと」。XリーグのLIXILが、最大18点差をひっくり返してIBMに逆転勝ちした試合を見て、そう思った。


 上位9チームで構成する「スーパー9」で、LIXILは唯一外国人選手の名前がメンバー表にない。しかし、主将の鈴木修平選手は言う。「ハンディを感じたことは一度もない」


 Xリーグでは、QBにアメリカ人選手を据えるチームが増えている。本場で腕を磨いた攻撃の司令塔が加入し得点力がアップしたことで、守備の負担も軽減されるメリットは確かにある。
 しかし、勝負とはそうした組織のケミストリーとは別の部分のせめぎ合いでもある。


 「フットボールだけをする、実質プロのような選手を受け入れないのがチームの方針。うちには優秀な日本人選手が各ポジションにいるので、彼らをいかに気持ちよくプレーさせるかを考えるのが自分の仕事」と鈴木選手は言う。


 限られた時間の中で、あえてフルコンタクトの練習を多く取り入れている理由は「練習でもオフェンスとディフェンスが真剣に勝負する機会が必要だから」と説明する。
 鮮やかな逆転勝ちはファンにとってはたまらないが、選手は大変だろうと思いきや、LIXILの面々はスリルを楽しんでいる風でもある。


 「これからも、うちがぶっちぎりで勝つことはないだろうが、試合はどっちに転ぶか分からない。最後まで諦めない。そこがうちの強みですかね」
 2007年、低迷していた日大を17年ぶりに甲子園ボウルへ導いた当時のキャプテンは胸を張る。


 Xリーグは、順位を決めるリーグ戦の後に実施するトーナメントが正念場になる。
 諦めない「試合巧者・ディアーズ」は、もろさも見え隠れしていた前身の鹿島時代とはひと味違うようだ。(編集長・宍戸博昭)

【写真】IBMに逆転勝ちした試合の後、インタビューに答えるLIXILの鈴木修平主将=10月9日、富士通スタジアム川崎