リオデジャネイロ五輪が、日本時間8月6日の早朝に開会式を迎える。
 現地との時差は12時間。日本から見ると昼夜逆転となる「スポーツの祭典」は、テレビ観戦するスポーツファンにとっては悩ましい17日間になりそうだ。


 4年後の2020年東京五輪は、7月24日に開幕して8月9日に閉会する。夏季五輪が暑い時期に開催される最大の理由は、国際オリンピック委員会(IOC)が、開催期間を7月15日から8月31日までに設定することを前提にしているからだ。


 背景には、米国のテレビ局が支払う巨額の放送権料がある。米国内で一番人気があるNFLは9月に開幕する。テレビ局は、最大の「ドル箱」であるNFLのシーズンと五輪が重なる事態はできるだけ避けたい。
 IOCも大リーグが佳境に入る前で、テレビ局が放送時間を確保しやすい夏場に五輪を開催することで、より多くの収入が期待できるというメリットがある。


 NFLでは過去に、五輪で好成績を挙げた多くの選手がプレーしてきた。その中で数少ない成功者として知られるのは、1964年の東京五輪陸上男子100メートルで優勝したボブ・ヘイズ(米国)だ。


 テキサス農工大のRBだったヘイズは、五輪の金メダルを手土産に名門ダラス・カウボーイズに入団した。
 ポジションはWR。けた違いのスピードでチームの勝利に貢献し、五輪の金メダルとスーパーボウル優勝リングの両方を手にしたただ一人のアスリートとして、歴史にその名を刻んでいる。


 親日家だったヘイズは、アメリカンフットボール選手としても来日している。しかし、75年のシーズンを最後に引退した後はアルコールや麻薬におぼれ、2002年9月18日に、生まれ故郷のフロリダ州ジャクソンビルで亡くなった。59歳だった。


 陸上競技のスプリンターは、足は速いがボール扱いが苦手でNFLでは大成しないと言われる中で、ヘイズは極めてまれな存在なのである。(編集長・宍戸博昭)

【写真】東京五輪の陸上男子100メートル決勝で優勝したボブ・ヘイズ(右端)=1964年、国立競技場