関東学生リーグ1部BIG8に所属する東大の細田泰三ヘッドコーチ(HC)は関学大の出身である。
 大学時代は183センチ、90キロの大型セーフティーとして活躍。2年時に京大と繰り広げた死闘「涙の日生球場」では、誰よりも多くのタックル数を記録した名選手だ。


 大学卒業後に就職した銀行のチームで、本格的にコーチとしての道を歩み始めた。東大のコーチに就任したのが2005年だから、今年で12年目になる。


 東大と関学大の縁は深い。「KGファイターズ」の礎を築いた関学大OBの米田満さんが、大学卒業後に東大の研究生として学ぶ傍ら、アメリカンフットボール部の創部に携わったのが始まりだ。


 東大は、5月5日に富士通スタジアム川崎で行われた交流戦で、格上の明大を16―13で破った。攻守に人材がそろった今季は、1部TOP8への浮上をもくろんでいる。
 近い将来、かつての京大のように、東大が甲子園ボウル出場を果たす日が来ることを夢見るファンは少なくない。


 選手層がものを言うアメフットだが、東大ではプレーヤーではなく最初からコーディネーターを希望して入部してくる学生がいるそうだ。
 全国でも有数の進学校の将棋部に所属していた部員は、将棋の戦略をアメフットに当てはめ、試合中にプレーをコールしている。細田HCによれば、そのセンスはなまじプレーを経験した人間より鋭いのだという。


 恒例の東大と京大の定期戦は、5月28日に京大グラウンドで行われる。その試合で東大のオフェンスを組み立てるのは、首脳陣からの信頼が厚い「将棋部出身君」になる予定だ。(編集長・宍戸博昭)

【写真】春の交流戦で東大は格上の明大を破った=5月6日・富士通スタジアム川崎