今日から年度替わり。東京の世田谷区にある桜上水は、毎年この時期になると地名の通り桜が見頃を迎える。


 京王線を下高井戸駅で降り、大学のキャンパスへ向かう途中の商店街は、すっかり様変わりして、学生時代によく通った定食屋がファストフード店になっていたりする。
 昔の佇まいが残る、馴染みの中華料理店でチャーハンを頼む。練習後、合宿所まで我慢できず、一気に食べたあの時と同じ懐かしい味だった。


 なぜか試合用の靴紐だけでなく、アンダーシャツやソックスを取り扱っていた靴屋の「おじさん」は、75歳になった今も元気に店番をしていた。
 防具の修理も手がけていたおじさんは、春の試合を含め当時のスコアを全て記録しているほど熱心な「日大フェニックス」ファンだった。こうした地元の人たちに、チームは支えられてきた。


 2度の引き分けを含め、大学王者に20度、日本一に4度輝いた日大は、4月1日付で内田正人監督から高橋宏明助監督にバトンタッチした。
 2003年から13シーズン指揮を執った内田前監督は、甲子園ボウル優勝こそなかったが、チームを4度の関東学生リーグ制覇に導いた。


 高橋新監督は50歳。現在は文理学部の事務長という要職にある。学生時代は1年時からDLとして活躍。3、4年時に甲子園ボウルで京大に敗れた悔しさを胸に大学の職員になった。
 内田前監督とともに「御大」篠竹幹夫氏の薫陶を受け、長年後進の面倒を見てきた硬派の指導者だ。学生たちの信望も厚い。


 1990年のシーズンを最後に「日本一」のタイトルから遠ざかっている「不死鳥」の舵取り役を任された新監督。5月1日には、神戸で宿命のライバル関学大との定期戦がある。(編集長・宍戸博昭)

【写真】日大グラウンドがある世田谷区桜上水の桜並木