ライスボウルの試合前。東京ドーム内で行われた記者会見で、殿堂入りした元関学大監督の武田建さんと、前京大監督の水野彌一さんのお話を聞いて、あらためて「このお二人は『言葉の使い手』だな」と思った。


 記者の質問によどみなく答え、ユーモアを織り交ぜることも忘れない。あえて自らの指導者としてのマイナス面を語るなど、聞き手を飽きさせない語り口は、いつ聞いても個性的で魅力的だ。


 強面の印象がある故篠竹幹夫前日大監督も、「言葉」を大事にする指導者だった。今なら大問題になる鉄拳制裁はあったが、学生が何より惹かれたのは、広くて深い知識に裏打ちされた、その独特の人生哲学だった。


 最近では立命大の米倉輝監督と早大の濱部昇監督の話が面白い。
 やんちゃな米倉さんと、きまじめな濱部さん。学生へのアプローチの方法はそれぞれ違うが、チーム状況や試合を分析する能力が高く語彙も豊富。新聞で言えば「見出しになるコメント」を提供してくれる。


 大学の各チームは、既に新体制で来たる春のシーズンに向けて動き出している。関学大の鳥内秀晃監督は、学生一人一人と面談し「日本一になるために、君はどんな男になんねん」と聞くそうだ。


 「対話」はお互いの信頼関係を生み、その積み重ねが確かなチーム力になっていく。グラウンドでの鍛錬だけでは、本当の意味での「強いチーム」は作れない。
 苦手な花粉が舞う季節。一人でも多くの魅力的な指導者と会うために、今年もできる限りフィールドに足を運びたいと思っている。(編集長・宍戸博昭)

【写真】殿堂入りの記者会見に臨んだ武田建元関学大監督(右)と水野彌一前京大監督(右から2人目)=撮影:Yosei Kozano、1月3日・東京ドーム