ライスボウルの前日なので、もうだいぶ前の話になる。今年も東京の目黒区にある小学校の後輩で、関学大アメリカンフットボール部の小野宏ディレクターと“地元”でささやかな「新年会」を開いた。


 今回はゲストにこちらも小学校の同窓、京大OBで「ギャングスターズ」史上最強DLとして知られるヨーロッパ在住の泉信爾さんを招き、昔話で大いに盛り上がった。
 とは言っても、話題はフットボールのことが中心。「あの時はこうだった」「今思えば、ああすればよかった」と、口をついて出るのは反省ばかりである。それに対して、お互いがあれこれ意見を言う。これがまた、格好の酒の肴になる。


 今年もまた、「K・G・FIGHTERS」の公式ホームページに連載されているコラム「スタンドから」の筆者、元朝日新聞記者の石井晃さんからコラムの「総集編」が届いた。
 「総集編」は、石井さんが自費で出版しているとても貴重な冊子である。


 巻頭には「敗北を抱いて」と題した小野ディレクターの文章が載っている。
 内容は、昨年末に久しぶりに上ケ原の「第3フィールド」に足を運んだ小野さんと、甲子園ボウル出場を逃した4年生の会話が中心になっている。
 「自分たちは3年生以下に『まじめ』を押しつけすぎたんじゃないか」「自分たちが、とことんしたことに悔いはない。でも、窮屈で息苦しいチームにしてしまったかもしれない」。その4年生は、そう語ったという。


 自らの4年時に、京大に屈し甲子園ボウルに出場できなかった小野さんも「ファイターズの多くのOBは、学生時代の最後の敗戦を、文字通り悪夢のままずっと引きずって生きている」と述べている。
 しかし、一方で「敗北は人を謙虚にする。挫折は深い思考を生む大きな契機となる」とも書いている。長年のコーチとしての経験がそう言わせるのだろう。


 敗戦から学ぶことは多い。泉さんは、主将だった4年時はリーグ優勝を逃したが、その後コーチとして京大の2年連続日本一に貢献している。敗北で得た教訓を後輩に伝え、好結果を引き出した。


 「どうやったら勝てるのか」も「なぜ負けたのか」からしか始まらない。小野さんの言葉の一つ一つにうなずきながら、石井さんが心を込めてしたためた33編のコラムを、もう一度読み返してみた。(編集長・宍戸博昭)

【写真】新年会で集まった(左から)京大OB泉さん、筆者、関学大OB小野さん