立命大の米倉輝監督と早大の濱部昇監督。気になる二人が対決した昨年12月の甲子園ボウルは、米倉監督に軍配が上がった。その差はわずか1点だった。


 ともにライバルの壁にはね返され続け、試行錯誤を重ねてたどり着いた大舞台で、両校は練りに練った戦術を駆使し、大会史上に残る名勝負を展開した。


 「甲子園ボウルでの早稲田は本当によく準備していたし、ライスボウルでの立命もしかり。今のフットボールはコーチ次第。それに、分析スタッフといわれる裏方の学生たちの努力の跡が随所に見られたのも特徴だ」。強豪大学で長年コーチを務めたある関係者は、両チームをこう評した。


 立命大は、ここ数年改革を進めてきた。スエット姿での授業出席を禁じるなど、学生が自主的に生活態度を改めることでチームに「規律」が戻った。
 春は早大に0―24で完敗したチームは、信じられない速度で成長し「負けない集団」に生まれ変わった。


 1月3日のライスボウルで、パナソニックに3点差で惜敗した米倉監督は言う。「今年の4回生の取り組みは、本当に素晴らしかった。彼らが残してくれたものを受け継いで、また一からチームを作り直す」


 残り試合時間7秒で立命大が同点を狙ったFGが失敗に終わった場面で、パナソニックの守備が一人多い12人いたことが後日判明。日本協会はそれを見落とした審判の不手際を認め謝罪した。
 「審判の皆さんの献身的な努力で試合は行われている。感謝の気持ちは今も同じ」。謝罪を受けた米倉監督の談話は、スポーツファンの共感を呼んだ。


 「チームは生き物。手をかければかけただけ成長する」とは濱部監督の言葉だ。厳しい練習で選手を鍛え上げるプロセスは欠かせないが、大切なのはコーチと学生がいかに理解し合えるかだろう。


 ライスボウルのハーフタイム。殿堂入りの表彰を受けるかつてのカリスマ指導者の姿を見て、あらためてその思いを強くした。(編集長・宍戸博昭)

【写真】惜敗したライスボウルの試合後、学生に話しかける立命大の米倉輝監督=1月3日・東京ドーム