「すみません、まだ気持ちの整理がつかなくて…」。11月29日に、東京・アミノバイタルフィールドで行われた、甲子園ボウルの出場権を懸けた全日本大学選手権の東日本代表決定戦。関東代表の早大に10―20で敗れた東北代表の東北大・遠藤隆正監督は、目に涙を浮かべ記者会見でこう切り出した。


 リーグ戦で主力に故障者が続出し「満身創痍の状態。これがチームの現状」(濱部昇監督)という早大に、真っ向勝負を仕掛けた。前半の0―17は「想定内だった」という遠藤監督をはじめ、チームは「本気で勝ちにいった」という。
 しかし、要所で好プレーが出るものの一度もリードを奪うことなく、4年連続で関東の壁を越えることはできなかった。


 「ホーネッツ」が今季掲げた目標は「東日本制覇」で、スローガンは「自分がやる」。2週間前の準決勝では、北海道代表の北大に17―0で快勝。胸を張って東京に乗り込んできた。
 「リスクとバランスを考えてゲームプランを作ってきた」。2年前は日大に0―82、昨年も日大に6―63で大敗したが、チームを率いて6年目の遠藤監督は「毎年進化している」と、手応えを口にした。


 関東と関西以外の地方リーグに甲子園ボウルへの道が開けたのは2009年から。競技普及の歴史の違いもあり、地方リーグの代表が檜舞台に立つ可能性は現時点では低い。
 ただ、東北大と九州勢として初めて西日本代表決定戦に進出した西南学院大は立派だった。その戦いぶりには心から拍手を送りたい。


 臆することなく強豪に挑み、自分たちの信念を最後まで貫き通す。学生スポーツならではのすがすがしさを感じさせた彼らの取り組みは、必ずアメリカンフットボールの発展につながるはずである。(編集長・宍戸博昭)

【写真】試合後の記者会見で質問に答える東北大・遠藤監督=撮影:seesway