「下見ない、前見て、前見て」―。Xリーグでの指導経験が長いダニエル・リンズ・コーチが、流ちょうな日本語で指示を出す。週末の午後、東京の町田市にある桜美林大アメリカンフットボール部の練習は、活気にあふれていた。
 関東の大学が並列リーグ制を採用していた頃、「さつきリーグの雄」と呼ばれたかつての強豪は、長い低迷にあえいでいる。


 アメリカンフットボール部が、大学の強化指定クラブになって3年目。米国でコーチ修行を積んだ関口順久ヘッドコーチをはじめ、2月からは元プロフットボール選手で日本代表でもLBとして活躍した河口正史さんをトレーナーに迎えるなど、充実したコーチ陣がチームの売り物だ。


 キャンパスから少し離れた専用グラウンドでは東京、神奈川の高校生を招いて合同練習、クリニックが開催されていた。
 「うちは、とにかく選手に来てもらわないといけないので、こうしてクリニックを開いて、先生たちとのパイプ作りもしている」と話すのは、桜美林大OBの岩田剛ゼネラルマネジャー。アサヒビール・シルバースターの一員として、日本一になった経験の持ち主は、人材を獲得するための“企業努力”の大切さを説く。


 きつい練習を楽しくこなせるようにする。これも指導者の役目だ。常に元気で明るく。「COACH」とは押しつけるのではなく、人を導き引き上げるのが仕事だ。桜美林大コーチ陣を見ていると、それがよく分かる。


 恵まれた環境で練習に励む「THREE NAILS CROWNS」の目標は、2021年の学校創立100周年までに、日本一を狙えるチームを作ることだそうだ。(編集長・宍戸博昭)

【写真】桜美林大では、高校生を招いた合同練習を定期的に行っている=撮影:Yosei Kozano