「サクラサク」という大学の合格発表の電報文は、昭和31年に早稲田大学が使ったのが始まりだそうだ。それまでの苦労が報われる瞬間を、春を表す桜の花に例えるしゃれた発想は、今なら流行語大賞の候補になるだろう。


 4月1日、アメリカンフットボールの日本代表1次候補選手が発表された。81人の候補選手の中に、45歳のDL脇坂康生選手(パナソニック)の名前があった。
 今年は7月に本場米国で第5回世界選手権が開催される。脇坂選手は日本が優勝した1999年の第1回大会から出場していて、7月1日に発表される日本代表の45人に選ばれれば、5大会連続出場となる。


 脇坂選手は滋賀県の虎姫高でアメフットを始め、日大に進学。大学時代は3年連続で日本一を経験したが、自身が主将を務めた4年時の1991年度は、関東で専大に敗れ甲子園ボウル出場を逃している。
 世界選手権でも、川崎で開催された第3回大会(2007年)では主将を任された。結果は、決勝で米国に延長タイブレークの末敗れ準優勝。DLとしての技量の高さ、人間的な魅力は誰もが認めるところだが、不思議と勝ち運には恵まれない。


 「今回が本当に最後の挑戦と思って準備してきました。最終メンバーに残れるかはわかりませんが、最大限の努力をしたいと思っています」。脇坂選手から届いたメッセージだ。
 5月には46歳になるベテランに「サクラサク」の吉報は届くだろうか。(編集長・宍戸博昭)

【写真】相手のブロックを受け止める脇坂康生選手(右)=2013年6月、神戸市王子スタジアム