関東学生アメリカンフットボール連盟の創立80周年を祝う式典に出席した。80年という年月は、日本のプロ野球と同じ。アマチュア競技団体としては、それなりに古い歴史を誇っている。


 こうした祝賀会では、登壇した人たちの話をじっくり聞くことにしているが、今回は来賓としてあいさつした、日本学生協会の平井英嗣理事長のスピーチが秀逸だった。
 日本でのアメリカンフットボールの歴史、戦後の競技復興に尽力した先人たちに敬意を表し、さらに現状を説明、そして未来への提言と続く。説得力のある内容をよどみなく、味わいのある爽やかな口調で出席者に語りかけた。


 平井さんは、立命大監督として1994年に初めて母校を甲子園ボウル優勝に導いた。
 学生時代はRBとして活躍。オールスター戦の西宮ボウルではキックオフリターンTDを決め、対戦した関東選抜を率いた故篠竹幹夫前日大監督が試合後自ら歩み寄り、握手を求めたという逸話の持ち主だ。立命大が関西を代表する強豪校になるだいぶ前の話である。


 シーズン中は全国各地に足を運び、競技の普及に汗を流している。今でもベンチプレスで100キロを支える体は、60代後半とは思えない若さを維持している。


 立命大OBで、日本代表主将も務めた古庄直樹さん(オービック)が、以前こんなことを言っていた。「僕たちにとって平井さんは(プロ野球の)長嶋茂雄さんのような人なんです」
 柔らかい物腰と抜群の存在感で学生フットボール界を牽引するリーダーの重みのあるスピーチは、節目を祝う宴をピリッと引き締めた。(編集長・宍戸博昭)

【写真】関東学生連盟創立80周年式典でスピーチする平井英嗣さん=2月26日、東京都内のホテル