潔く敗戦の責任を一身に背負うリーダーは「男を上げ」、敗因を選手やスタッフに求める指揮官は「男を下げる」。スーパーボウルで敗れたシーホークスのピート・キャロル監督は明らかに前者だろう。


 4点差を追う第4クオーター残り26秒。ゴール前1ヤードから逆転を狙ったパスが、ペイトリオッツのDBにインターセプトされ万事休した場面は、全米で論議を呼んでいる。
 アメリカンフットボールは全てがセットプレーでルーズな時間が少ない。試合の流れが明解で、ファンを含め「あの時、ああしていれば」という議論が持ち上がりやすく、それがまたこのスポーツの魅力でもある。


 キャロル監督は、ドラフト会議で大型DBを積極的に獲得するなど、チーム強化に成功。その手腕と先見性は高く評価されている。
 ただ、勝つことが全てと言っていいプロの世界は非情だ。「ゴール前だし、パスではなく手堅くランで攻めるべきだったのでは」という意見がある。今回のように他の選択肢があった場合、監督は批判にさらされる。
 「全ての責任は私にある」。一切の言い訳を排除したキャロル監督を賞賛する声がある一方で、米メディアの評価は必ずしも好意的なものばかりではない。


 近年まれに見るスリリングな展開だった、全米最大のスポーツイベントスーパーボウル。一つのプレーが明暗を分けた第49回大会は、「THE DECISION」として語り継がれる名勝負だったことだけは間違いない。(編集長・宍戸博昭)

【写真】スーパーボウルの敗戦後、笑顔でシアトルの空港に降り立つシーホークスのキャロルHC(AP=共同)