「ホットライン」と呼ばれるQBとレシーバーは、二人だけが理解し合える不思議な感覚を持っている。お互いに考えていることが、なぜか瞬時に分かるのだという。
 関学大のQB斎藤圭選手とWR横山公則選手は、まさにそんな関係である。


 横山選手は、関西リーグの立命大戦で右脚の腓骨を骨折し、甲子園ボウルではプレーできなかった。日本一を目指したライスボウルには、何とか間に合った。
 第3クオーター残り3分30秒を切って、初めてパスをキャッチした。右脚を少し引きずりながらも、無駄のない動きで楽々ノーマークになった。「いつもどおりのタイミングで、いつもどおりのパスが来た」。1捕球で16ヤード。ライスボウルでの彼の記録である。


 171センチ、71キロ。体格、素質に決して恵まれていない横山選手は、努力でレギュラーの座をつかんだ。関学高等部から大学に上がる際、推薦組の顔ぶれを見てロングスナップの「スナッパー」としてチームに貢献しようと決意する。
 しかし、2年生になって徐々にWRとして頭角を現し、4年生の今季はレシーバーのパートリーダーを務め、関西リーグのベストメンバーにも選ばれた。


 「技術で劣るので、人一倍練習した。最後は自分に任せてもらえるようなWRを目指してきた」。4年間を振り返る背番号「82」は、大舞台でその実力を発揮できなかったが、堂々と胸を張ってほしい。チームが掲げたスローガンである「CHALLENGE」を、他の4年生とともに立派に体現したのだから。(編集長・宍戸博昭)

【写真】ライスボウルの表彰式に臨む関学大WR横山選手(左)とQB斎藤選手=1月3日、東京ドーム