アメリカンフットボールの社会人日本一を決める「ジャパンエックスボウル」が12月15日、東京ドームに2万5085人の観衆を集めて行われ、2年連続6度目の出場の富士通が初出場のIBMに44―10で快勝して悲願の初優勝を果たした。最優秀選手には4TDランを決めた、富士通のRBジーノ・ゴードンが選ばれた。
 富士通は、来年1月3日に東京ドームで開催される日本選手権(ライスボウル)で、大学王者の関学大と日本一を懸けて対戦する。


 電光石火の先制劇だった。IBMの最初の攻撃で、富士通のDB三木慎也が後ろに下がると見せかけて、QBケビン・クラフトの投げたショートパスをインターセプト。そのままエンドゾーンまで駆け抜けた。
 「何とかしてクラフトの出鼻をくじきたい」と富士通の延原典和守備コーチが試合前に話していた通り、ディフェンスが準備した作戦がぴたりとはまった。


 その後も富士通ディフェンスはDLオースティン・フリン、LB鈴木 將一郎がQBサックを決めるなど、好守備を連発する。最後まで相手に主導権を握られることなく、準決勝で69点を奪ったIBMのオフェンスをわずか10点に封じ込めた。
 オフェンスも守備の奮闘に応えて、RBゴードンの力強いランを中心に、ターンオーバーで得た好機をことごとく得点に結びつけた。


 IBMは前半、守備がギャンブルを阻止するなど粘り強く守ったが、看板のオフェンスが要所を抑えられ、得点機会をものにできなかった。


 【富士通・藤田智HCの話】
 しんどい試合だったが、ディフェンスとキッキングの力で勝つことができた。QB平本は練習からずっと調子が良かったので、後半に起用した。自分がどんくさいので(HCに就任してから優勝するまで)10年もかかってしまったが、ようやくチームを支えてくれた人たちに恩返しができた。


 【富士通・DB今井義教主将の話】
 相手の勢いに乱されることなく、一プレー一プレー集中しようとみんなに言い続けてきた。最初の三木のインターセプトで流れを作ることができた。本当によくやってくれた。あと一歩で勝てずに苦しい時期も長かったが、やっと壁を乗り越えることができた。ライスボウルに向けて気を引き締めたい。


 【IBM・山田晋三HCの話】
 全体的に力の差がそのまま出てしまったなという印象。前半、ディフェンスはある程度思い通りにいったが、オフェンスはミスコミュニケーションを起こし、相手の守備の罠にはまってしまった。後半はけが人も出て、選手層の面で苦しかった。選手たちが初めて大舞台を経験できたことは大きい。来年に生かしてステップアップしたい。


 【IBM・TEジョン・スタントン主将の話】
 富士通はメンタルエラーがとても少なくて、スマートなフットボールをする、優れたチームだった。フィジカルでも負けていた。われわれは今日の試合は敗れてしまったが、チャレンジングで素晴らしいシーズンを過ごすことができた。ともに戦ってきたチームメートを誇りに思う。

【写真】初優勝を果たし、笑顔の富士通・藤田HC、山本正已社長(中央下)ら=撮影:Yosei Kozano、15日、東京ドーム