「名城大が監督を探している。やってみる気はないか」。恩師・篠竹幹夫前日大監督から打診されたのは、24歳の時だった。
 自分はそういう器ではないと、丁重にお断りした。「おまえは相変わらず、俺の言うことを聞かないな」。苦笑いする御大の顔にはそう書いてあった。


 1982年。名城大の監督には、日体大OBで当時シルバースターのDLとして活躍していた槇野均現監督が就任した。槇野監督の指導者としての手腕は、近年の躍進ぶりが証明している。
 名城大は、11月16日に平和台陸上競技場で九州代表の西南学院大と西日本代表決定戦進出をかけて対戦する。


 桑原直樹監督と縁があり、僭越ながら西南学院の学生さんを前に講演をしたことがある。「タックルは、ある程度フォームを覚えればあとはハート問題だ」。恩師の受け売りで、こんな話をしたと記憶している。
 この年、西南学院は福岡大とのプレーオフを制し11年ぶりのリーグ優勝を果たした。夕暮れの中、選手の手で宙に舞う桑原監督の姿は、今でも目に焼き付いている。
 名古屋の「味噌煮込みうどん」と福岡の「水炊き」。ともに2年間暮らした思い出の地の名物が恋しくなる季節。打倒関西を目指す両校の健闘を祈りたい。(編集長・宍戸博昭)

【写真】昨季の西日本代表校決定戦で関学大に善戦した名城大=撮影:山岡丈士、2013年、王子スタジアム