アメリカンフットボールは、いくつになっても楽しめる「生涯スポーツ」とは最も縁遠いと思っていたが、そうでもないようだ。
 6月29日に川崎富士見球技場で行われたシニアリーグのU―59ERS対OVER40LEGENDERSは、50歳を過ぎた選手がレベルの高いパフォーマンスを披露してくれた。
 試合は①キックオフはなく、自陣45ヤードから攻撃を開始する②下半身へのブロッキングは禁止―など、安全に配慮した特別ルールの下で実施される。
 U―59ERSのQBとして登場した鈴木隆之選手は、チーム最年長の56歳。1979、80年度に、日大のQBとして2年連続で年間最優秀選手賞の「ミルズ杯」に輝いた選手と言えば、思い出すオールドファンも多いだろう。
 その鈴木選手が指揮した、試合終盤の決勝ドライブは圧巻だった。QB一筋40年のベテランならではの、絶妙のプレー選択には舌を巻いた。本人は「RBにボールを渡しただけ」と謙虚に語るが、要所で見せた鋭いパスや自らのランはさすがだった。
 日大伝統のエースナンバー「10」が似合う鈴木選手は今、人生の中で一番フットボールをエンジョイしているのかもしれない。(編集長・宍戸博昭)

【写真】チームメートから、記念ジャージーを贈られた鈴木選手