「頑張りますので、応援よろしくお願いします!」―。Jリーグでは、ヒーローインタビューでよく使われるこのフレーズを禁止する方向で、3年前から取り組んでいるという。
 「心がこもっていないことが多い」というのがその理由。しかし、5月27日のキプロス戦で、日本代表の長谷部誠主将は、珍しく言葉に詰まり「熱い応援、よろしくお願いします!」と、ワールドカップに向けたあいさつを締めくくった。
 代表きっての知性派の長谷部選手だけに、ありきたりな決意表明にちょっぴりがっかりした。鹿児島での合宿で肉体的に追い込む練習をした直後の試合だったので、いつものような聞き手の心にしみ入る言葉を用意していなかったのかもしれない。
 「し」も、サッカー選手がよく口にする。「○○○ですし、○○○ですから、○○○していきたいと思います」といった具合だ。最初に「し」を効果的に使い始めたサッカー選手は中田英寿さんだったと記憶している。知的な印象を与える「し」は最近よく耳にするが、乱用すると聞き苦しい。「最高でーす!」は、巨人の阿部慎之助選手の専売特許だったが、他の選手の借用が目立つ。
 選手や指導者の言葉には、その競技の品性が表れる。公に現場の声が聞こえてくることが少ないアメリカンフットボールだが、日本代表・森清之ヘッドコーチの話は、独自性と説得力に満ちている。貴重な存在である。(編集長・宍戸博昭)

【写真】試合後のセレモニーで、サポーターにあいさつする長谷部。後方は(左から)ザッケローニ監督、本田、大久保=埼玉スタジアム