初めてハワイを訪れたのは、高校1年の夏だった。アメリカンフットボール部の遠征で、ハワイ島のヒロとコナで試合をした。戦力外の1年生レシーバーに出場機会はなく、サイドラインでうろちょろしていた。
 それでも、ヒロ高校とコナ高校の選手たちと過ごした時間は格別だった。拙い英語が通じ、初めてのサーフィンも経験し、年上のチアガールがまぶしかった。当時どこに行っても流れていたカーペンターズの名曲「Yesterday Once More」のメロディーとともに、忘れられない思い出である。
 東京五輪が開催された1964年。戦後初の米国遠征で、米田満(関学大OB)、篠竹幹夫(日大OB)両コーチ率いる「全日本」がハワイに渡った。戦績は1勝1敗だった。
 この時、全日本のQBを務めた横溝裕利さん(日大)は、現地で知り合った女性と恋に落ち、後にハワイ永住を決意する。何ともロマンチックな物語の主人公は、6年前の3月にホノルルで人生の幕を閉じた。66歳だった。
 遠征からちょうど50年。関学大出身のメンバーは、今年の12月にハワイを訪問する計画を立てている。ワイキキに眠るかつてのチームメートの遺骨に手を合わせ、心の中でこうつぶやくのかもしれない。「あの日をもう一度」と。(編集長・宍戸博昭)

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