共同通信OB丹生恭治さんが書くコラムには、ベテラン記者ならではの深い味わいがある。日本のアメリカンフットボールを草創期から熟知し、分かりやすい文章で歴史を掘り起こしてくれる。
 丹生さんを強く意識したのは大学生の時。当時の日大の2年生DBと、同じ2回生の関学大DB細田泰三君(現東大ヘッドコーチ)を、専門誌に連載していたご自身のコラムで取り上げてくれた。タイトルは「DBの時代」だったと記憶している。
 二人ともその頃では珍しい、身長が180センチを超える「大型DB」だった。攻守兼任の選手がまだ何人かいた時代である。
 記事では、守備陣の最後尾に上背がライン並の選手が現れたことを歓迎し、将来はDBが注目される時代が来ることを予見していた。NFLをはじめ日本でも、現在の流れを見ればその見立ては正しかった。
 丹生さんに憧れて通信社の記者になった。毎週送られてくる読み応えのある原稿を前に、自分の未熟さを痛感する。5月で80歳になる大先輩には、「語り部」としてまだまだ頑張ってもらうつもりである。(編集長・宍戸博昭)

【写真】『丹生恭治さんの著書「いざいざいざ」』