カレーに醬油を入れるのか、それともソースかといった会話は、年配の方なら一度はしたことがあるだろう。もっとも、最近はレトルトでもおいしくできているので、食べる前にそうした調味料を加える必要がないことが多い。
 チームをまとめる監督(ヘッドコーチ)は、食材(選手)の特長をいかに引き出すかが問われる料理人に似ているかもしれない。
 4月12日にドイツ代表を川崎に迎える日本代表の森清之ヘッドコーチは今回、メンバーを若手中心にした。来年の世界選手権に向けて、国際試合の経験を積んでもらうというのがその理由だが、もちろん勝負にもこだわったさい配をするものと思われる。
 グルメを気取るつもりはないが、どんなに良い食材を集めても、料理人の腕一つで味は格段に違ってくる。代表にとっては久しぶりの国際試合。指導者として経験豊富な森さんが、どんなゲームプランを用意しているのか。興味は尽きない。
 戦術、コーチの哲学が選手に浸透したとき、「生き物」であるチームは思わぬ力を発揮するものだ。「見に来てくれる人たちに、何かが伝わる試合をしたい」。決意を持って試合に臨む「森JAPAN」には、和風のスパイスがピリッときいた、ひと味違う試合運びを期待したい。(編集長・宍戸博昭)

【写真】12日のドイツ戦に向けて練習する日本代表の選手たち=撮影:Yosei Kozano、5日、川崎富士見球技場