関学大のエースQBとして活躍した畑卓志郎さんが、日本選手権4連覇のオービックで現役復帰することになった。日本一を争うライスボウルで、母校が苦杯をなめたチームになぜ? という複雑な思いのファンもいるだろうが、逸材の復帰は朗報といえる。
 2012年の甲子園ボウルではけがで先発出場せず、当時2年生QBの斎藤圭選手がスターターを務めた。しかし、チームのピンチに登場すると小気味よくパスを決めて、法大との激戦を制す立役者になった。
 4年で単位を取り終え、昨年は海外へ留学していた。小欄で健筆をふるっている毎日新聞の小座野容斉さんは、コラムで彼を昨季のNFL王者シーホークスの小柄なQBラッセル・ウィルソンになぞらえて、復活を望んでいた。
 父親の豊さんは、関学高等部の名RBだった。高校卒業後は、歯科医になるため歯科大に進み、甲子園ボウルの出場経験はない。畑さんの走り方は、お父さんによく似ている。親子なのだから当たり前だが、甲子園球場や東京ドームで会う豊さんは、選手として自分の果たせなかった夢を我が子に託しているようにも見えた。
 大手海運会社に就職した畑さんは、今春から社会人としての第一歩を踏み出す。覚悟を決めて再びフィールドに戻ってきた「和製ウィルソン」。そのプレーに注目したい。(編集長・宍戸博昭)

【写真】年間最優秀選手に贈られるチャック・ミルズ杯を受賞し、笑顔を見せる関学大のQB畑=2012年、甲子園