JR水道橋駅から東京ドームに向かう橋の上を、白いカモメ(SEAGULL)が気持ちよさそうに飛んでいた。1月3日は毎年ライスボウルを観戦しているが、カモメを見たのは久しぶりで、これから始まる大一番の結果を暗示しているようにも思えた。
 3年連続で同じ顔合わせとなった日本選手権は、昨年学生代表の関学大ファイターズが社会人王者オービック・シーガルズをあと一歩のところまで追い詰めたこともあり、ファンの関心は高かった。なのに客足がよくない。それには理由があった。
 電車を乗り換える際、有楽町で発生した火災で東海道新幹線が全面ストップしていることを知った。運転再開のめどが立たず、西へ引き返したファンや関係者も多かった。
 ドームに入ると関学大OBの友人が教えてくれた。「新幹線が止まって、足止めを食っているチームスタッフがいる。急きょ若手OBにベンチで手伝ってもらうことになった」。思わぬフィールド外のアクシデントにも、ファイターズは素早く対応した。
 予定通りにキックオフを迎えた。7点を先制された直後の関学大は見事だった。テンポのいい攻撃であっさり同点に追いついた。しかし、その後が続かなかった。
 外国人で補強した社会人に学生が挑む構図に疑問を呈する声。創意工夫で学生にもチャンスはあるという声。ライスボウルの在り方についてはさまざまな意見があるが、関学大の真摯な取り組みを見ると、学生の可能性を信じたくなる。(編集長・宍戸博昭)

【写真】ゴール前まで攻め込み、パスを狙う関学大のQB斎藤=撮影:Yosei Kozano、3日、東京ドーム