シニアのアメリカンフットボールが、にわかに活気づいている。現役を退いて20年以上過ぎた40代後半から50代の元フットボール選手が、最新の防具を身に着けて汗を流している。
 東京に拠点を置く59歳以下のチーム「U―59ers」は、毎週末に東京・東伏見の早大グラウンドで練習している。出席率は高く、練習内容も本格的だ。メンバーは関学大や日大で大学日本一を決める甲子園ボウルや社会人時代に日本選手権(ライスボウル)で優勝した経験のあるかつてのスター選手も多く含まれている。
 最近になって、日大の黄金期に年間最優秀選手に贈られる「チャック・ミルズ杯」に2度輝いた名QB鈴木隆之さんが加入した。さすがに全盛期の切れはないが、55歳という年齢を感じさせないパスを披露している。大学と社会人チーム・レナウンの後輩である、こちらも1980年代に一世を風靡したスーパースターQB松岡秀樹さん(50)とのコンビは、オールドファンにとってはたまらない魅力がある。
 お二人の大学の恩師である、故篠竹幹夫氏が編み出したQBが縦に並ぶ「ドラゴンフライ・フォーメーション」が、年に数回組まれる試合で復活するかもしれない。
 U―59ersの創設者で、広告界のカリスマと言われている岡康道さん(57)の自伝的小説「夏の果て」が、このほど出版された。大学時代と大手広告代理店に勤務している時も打ち込んでいたアメリカンフットボールへの熱い思いが描かれている。お勧めの一冊である。(編集長・宍戸博昭)

【写真】シニアフットボールで現役に復帰したU―59ersのQB松岡=撮影:Yosei Kozano、2012年、江戸川陸上競技場