3月も末、春からの新しい生活に向けてあわただしくもありますね。春らしいポカポカ陽気だったり、寒さが戻ったり、三寒四温を肌で感じながら、先人の知恵に敬意を表する毎日です。


 さて、ここ標高1300mの清里高原にも春の息吹を感じます。昨年植えたミント、かぶせておいた秋の刈り草の下に、芽が吹いていました。
 先週はキープ自然学校に幼いときから遊びに来てくれていた6歳の子どもたちの卒園の会。「また小学生になったら会おうね」と言いながらも節目のおめでとうパフェを仕立てました。
 なんだかしまらないなあ、と思っていたので、最後に芽吹いたばかりのミントをアクセントに。子どもたちにも喜んでもらえるプレゼントになりました。


 このパフェ、キープ農場の牛乳と夏から秋に収穫した清里のフルーツで仕立てています。キープ農場は約130頭のジャージー牛を飼育し、日量600キロリットルの牛乳を搾っている生産農場です。
 里の大地はようやく雪が溶けたところですが、春から緑色に染まる広大な牧草地で3回草刈りをして牛たちの餌を蓄えます。一方では牛が自由に青草を食べてすごせる牧草地もあわせて管理しています。


 そんな自然の中で生活している牛から搾る牛乳は、季節によって味が違うのです。冬は脂肪の含有量が多い、コクのあるとってもミルキーな味を楽しませてくれて、夏にはさらりとしたフレッシュな味が新鮮です。“青草の味”と表現する方もいらっしゃいます。
 冬はホットミルク、夏はキンと冷えた牛乳を飲むのがなんとも季節感もありおいしいのです。


 以前キープ自然学校にいらしていたスポーツ合宿のお客様も「強い体を作るには牛乳を飲むべし!」 と、選手の皆さんは頑張っていらっしゃいました。「頑張る?」「食べることを?」…。そう、強い体を作ったり、強いスポーツ選手になるには、練習やトレーニングだけでなく、食事を頑張らなくてはならない場面もしばしばです。
 でも、いつも頑張って食事をしなくてはいけないのは、少々楽しみに欠けませんか?


 昨今の主流で「練習またはトレーニング直後にある程度炭水化物を含んだプロテイン補給」が鉄則になってきました。そのような研究が進み、科学的に証明されているからです。さまざまなサプリメントがありますね。


 では、食事の位置づけはどんなところにありますか。プロテインやサプリメントに頼る一歩手前が、毎日の食事の役割であり、それはリラックスしたり会話を楽しんだり、精神的な栄養にもなる時間となるのです。
牛乳の飲み方も、毎日の食事、習慣に溶け込めるようになっていれば、“いつも頑張る”必要なないのではないでしょうか。


 開発されたプロテインが手に入らないころ、「運動後30分以内に、牛乳を飲もう」という時代もあったように思います。「牛乳にきな粉」というセットもしばしば見受けられました。
 バランスが整えられたプロテインほどではないかもしれませんが、これも理にかなっているといえます。


 牛乳には五大栄養素のたんぱく質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンがバランスよく含まれていて、なおかつコップ一杯(200ミリリットル)程度で効率よく栄養素を摂取できる食品だからです。


 強い体を作るのは、誰のためでしょう?
 その食事とは、どういったものなのでしょう?


 食事は毎日3度(あるいは5~6回)1日24時間の大きなウエートを占めています。ならばせっかくの貴重な時間、良いパフォーマンスを発揮するために利用してください。


 牛乳の利用法もたくさんあります。そのまま飲むのもOK。今回のようにデザートが牛乳たっぷりのものでもOKです。牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまう方は、ヨーグルトや加熱した牛乳がおすすめです。


 牛乳はカルシウムが豊富なのは周知の事実ですが、ただそれを摂取するだけでは栄養にはなりません。カルシウムを摂取し骨密度の高い骨格を作り上げるためには、魚やキノコ類に豊富に含まれるビタミンDとセットにするのがおすすめです。


 ビタミンDは、カルシウムの骨への沈着を促してくれます。牛乳&キノコ。例えば、シチューには鮭やシメジやエリンギをプラス。ツナとキノコのクリームパスタでもいいですね。
 もちろん、果物や野菜とともにスムージーにしてもバランスの良い一品になります。


 「JISS国立スポーツ科学センターのアスリートレシピ」という本を見ますと、どんなスポーツ選手でも強い体作りやパフォーマンス向上に欠かせないのは、つまるところ3度の食事だそうです。


 どんな食材にも栄養のないものはありません。季節のものを食べるタイミングや料理の方法、食べる量など、自分にあった楽しい食事の時間を見つけて、新しい生活を気持ちよくスタートしたいものです。


(参考)JISS国立スポーツ科学センターのアスリートレシピ,2012年5月発行,国立スポーツ科学センター著

【写真】ジャージーミルクのパフェ