便利そうに見える野球とフットボールの共用スタジアムはなぜ失敗だったのか。それは中途半端なスタジアムとなってしまったからだ。
 こうしたスタジアムはスタンドの一部が可動式になっており、両スポーツのフィールドの形に対応するようになっている。しかし、どうしてもどちらのスポーツにとっても最善といえない向きの席が多くなってしまうのだ。


 またゲーム数が少なく毎回入場者数が4万人を超えるNFLと1シーズン81ゲーム以上開催され、平均3万人程度のMLBとでは適正な規模も異なる。大きすぎるスタジアムでは運営コストに無駄が出るし、人気に対して収容人数が少なければ機会損失となってしまうのだ。


 さらにビジネス面においても物販、飲食収入を増やすため、スタンド裏のコンコースを広くとることや、豪華なラグジュエリー・ボックスを数多く設置することなど新たな流行が生まれたということも見逃せない。


 こうした流れを受けて、90年代に入るとNFL、MLB双方でそれぞれの専用スタジアム、それも適正な規模で、最新の設備を備えたものの建設を望む声が強く主張されるようになったのである。


 そうした主張は、本拠地の移転といった地元自治体への一種の圧力を使って行われることも多く、それが通ったのがスタジアムの建設ラッシュという形で現れたのである。

【写真】NFLレイダーズとMLBアスレチックスが共有するオークランドのスタジアム(AP=共同)