12月15日に東京ドームで行われる、社会人日本一を決める「ジャパンエックスボウル」(JXB)は富士通とIBMの対戦となった。前評判は攻守に安定感のある富士通が有利だが、IBMには勢いがある。今シーズンのリーグ戦を取材したマスコミ関係者と「TURNOVER」のコラムニストが、大一番を予想した。


 【河合香・日刊スポーツ新聞社=優勝予想:富士通】
 本格派の米国人QB、一発を秘めた豊富なレシーバー陣、ランもタレントぞろいのRBがいて、守備ではDLに米国人を補強して強化してきた。タイプの似ているチーム同士の決勝となったが、第1ステージでは富士通が快勝している。総合力で富士通に分があるだろう。
 富士通は2002年から6度目の決勝進出で、悲願の優勝がかかる。東日本では唯一の企業チームであり、今度こその思いに期待もあるだろう。アサヒ飲料を日本一に導いた手腕を買われて就任10年目の藤田ヘッドコーチは、相当なプレッシャーを感じているようだ。しかし、ここまで無敗で勝ち進み、何よりオービックに勝ち切った自信は何よりの力になるはずだ。今季は守備に安定感が出てきて、ハイパー攻撃を支えているのも大きい。
 IBMは毎年ダークホースにはなっていたが、ムラがある印象だった。今季は正念場でLIXILに連勝したことで、力は本物であることを証明した。こちらも守備力をアップさせたことが大きいが、ちょっと駒不足の感がある。
 QBクラフトにインターセプトが多いのも気になる。キッキングで栗原の一発など、ビッグプレーで流れをつかみたいところ。初の進出もあって勢いに乗って、富士通を慌てさせると面白い展開になるだろう。


 【生沢浩・ジャパンタイムズ=優勝予想:富士通】
 アメリカのNCAAでのプレー経験があるQB同士の対決として注目されるこの試合は、コービー・キャメロン(富士通)とケビン・クラフト(IBM)にそれぞれ「気持ち良く」プレーさせる、すなわち得意のパスでオフェンスを引っ張る展開に持ち込むことができるかが鍵を握る。
 IBMの山田晋三ヘッドコーチが会見で述べたように、スクリメージラインの攻防が大きく影響するだろう。両者が持ち味を十分に発揮すればハイスコアリングの試合になる。この場合は両者互角と見る。ターンオーバーなどミスが出たほうが苦い思いをすることになるだろう。
 オフェンスが相手ディフェンスの前に思うようなプレーができなかった場合、パス以外のプレーで局面を打開できるのはパワフルなRBジーノ・ゴードンを擁する富士通だろう。試合の主導権を握る選択肢は富士通のほうが多い。それだけに勝利を引き寄せやすい。
 また、富士通は昨年のJXB、今年のパールボウル決勝と東京ドームでの大舞台を経験済みで、その点も優位に立っている。


 【小座野容斉・毎日新聞社=優勝予想:富士通】
 両チームともに優れた米国人選手が攻守の要所に配置されているが、彼らが外れても日本人選手の身体能力とデプスで富士通が上回る。
 だが、ボウルゲームは通常の試合と異なる。富士通の選手が精神的に受け身になるようだと、爆発力のあるIBMにもチャンスはある。


 【松元竜太郎・共同通信社=優勝予想:富士通】
 両チームの攻撃の完成度はシーズンが深まるにつれて高まっており、コービー・キャメロン(富士通)とケビン・クラフト(IBM)の両QBが率いるオフェンス優位の展開が予想される。勝敗ラインは40点を超えるだろう。
 富士通ディフェンスは、リーグ戦でIBMのオフェンスをわずか13点に抑えているが、この時はロングパスがほとんどなかった。IBMのOLは成長しており、富士通のDLオースティン・フリンや平井基之のプレッシャーを防いで、クラフトがロングパスを投げる時間をある程度は作れるだろう。
 前半、あるいは第3クオーターまでは互角の戦いが続くことも十分ありえるが、最後は総合力の差が出るとみる。
 IBMのディフェンスは、選手をローテーションで起用できるポジションがほとんどないので、試合終盤のスタミナに大きな不安がある。そこを突いて、富士通のオフェンスが一気に突き放すと予想する。


 【中村多聞・日本選手権MVP、週刊TURNOVER=優勝予想:IBM】
 IBMに期待したい。ハイスコアでもロースコアでも、経験値と役者の豊富さで世間は富士通優位の予想に変わりないようだが、ゲーム中に数回訪れる勝負どころで富士通に良いプレーをさせなければ勝機はある。
 取れないだろうと思うところで得点する。「やられた」というところでやられない。関係者全員の覚悟が、テレビにも映るような戦いをぜひ見せてほしい。

【写真】JXBでは初優勝をかけて戦うIBMと富士通の選手、HC=撮影:Yosei Kozano