NFLでは、莫大な収益を生むレギュラーシーズンおよびポストシーズンのテレビ放送権をリーグが一括管理していることが大きな特徴となっている。
 だが、リーグが収入を管理しているのはテレビ放送権だけはない。それ以外にもNFLのビジネスにおける大きな収入のいくつかがリーグで管理されているのだ。


 まず挙げられるのがロイヤリティ収入だ。リーグやチームのロゴが使用されたTシャツや帽子、ぬいぐるみ、コップといったマーチャンダイジング商品の売り上げから得られる収入は、全てリーグが管理しているのである。
 ロゴ使用のライセンスとマーチャンダイズによる収入は年21億ドル以上という規模だ。


 また、全米レベルでNFLのブランドを使用して広告展開などを行うことができるスポンサー契約、ナショナル・スポンサーシップについてもリーグが管理している。
 例えば、レギュラーシーズンのゲームで、フィールドにいる選手が着用するジャージーやサイドラインのコーチのウェア、帽子などは全て公式スポンサーであるスポーツ用品メーカ「ナイキ」のものだ。こうしたスポンサー収入は10億ドル以上と見込まれている。


 リーグが管理することにより、リーグとチームのブランド価値が保たれるとともに、一括した価値向上が図られているのだ。
 また、スーパーボウルやプロボウルといったポストシーズンのチケット収入もリーグが管理している。


 では、チーム独自の収入はどんなものがあるだろうか。まず注目されるのがレギュラーシーズンのチケット収入だ。これはホームチームが60%、ビジターチームが40%を受け取ることとなっている。
 一方で豪華なラグジュアリーボックスやクラブシートのプレミアム収入は、全てホームチームの収入だ。


 またプレシーズンゲームのテレビ放送権料、スタジアム内売り場使用権料、駐車場料、スタジアムの看板掲出料、さらには地元地域での広告契約による収入はチーム収入となる。こうした収入はローカル・レベニューと呼ばれる。


 このように、チーム独自で収入を増やす余地を残しつつも、テレビ放送権のみならず大きな収入源をリーグが管理しているのだ。
 これではチームから不満が出るのではないかと思うかもしれないが、実は逆だ。これがリーグ全体の繁栄の大きな要因となっているのである。そのことについては次回紹介しよう。


記事提供=「NFL Japan BIZ」
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渡辺 史敏 (わたなべ・ふみとし)のプロフィル
1964年生まれ。明治大卒。雑誌編集者を経て1995年に渡米。ニューヨークを拠点にNFLやサッカーなどスポーツ、ITの分野で取材・執筆活動を行う。2014年4月に帰国。フリーランス・ジャーナリスト活動を行う他、NFLの日本窓口、NFL ジャパン リエゾン オフィスのPRディレクターに就任。

【写真】NFL関連商品もリーグが一括管理している(AP=共同)