NFLではレギュラーシーズンが終わると、リーグ・チャンピオンシップである「スーパーボウル」に向けたプレーオフが行われる。


 このプレーオフという制度はNFLだけでなくMLB、NBA、NHLでも採用されており、アメリカンスポーツで多く見られるものだ。
 ヨーロッパのサッカーなどではシーズンを首位で終わったチームが自動的にチャンピオンとなる。対してプレーオフ制ではレギュラーシーズンでは決着せず、上位チームが短期でのトーナメント戦を行い、最後の勝者がそのシーズンのチャンピオンとなるのが特徴だ。


 では、プレーオフを導入するメリットはどこにあるのか。それはやはりリーグ全体を盛り上げ、さらにはゲーム数を増やすことで、収益アップにつながるからだ。
 負けたら終わりのトーナメント制で”真のチャンピオン”を決めることでファン心理はあおられるのである。


 NFLのプレーオフがMLBやNBAなどと違っているのは、すべて1ゲーム制である点だ。1ゲームのみで決着し、勝ち上がるチームが決まるのである。MLBやNBAの場合、複数のゲームを実施するシリーズ制で、多く勝利したチームが勝ち上がるようになっていることが多い。


 NFLのプレーオフフォーマットを見てみると、AFCとNFCの各4地区で首位のチームが地区チャンピオンとして、さらに両カンファレンスにおいて首位チームを除いたなかで上位2チームが「ワイルドカード」として出場権を得る12チーム制となっている。


 地区によってレギュラーシーズンの成績はまちまちであり、他地区の首位チームよりある地区の2位チームのほうが成績が良い、ということもあるので、ワイルドカードは救済策となっているといえるだろう。


 また、カンファレンスごとにプレーオフのシード権が設定され、シードの最上位チームが最下位のチーム、2位のチームが下から2番目のチームと対戦する組み合わせになっている。これにより、レギュラーシーズンをより良い成績で終えることが重要となり、レギュラーシーズンのモチベーションが最後まで維持されるのだ。


 また、ゲームは対戦上位チームの本拠地で開催される。地元で圧倒的な応援を受けながらゲームを開催できる、いわゆる「ホームフィールド・アドバンテージ」を与えられるというわけだ。
 こうした制度がうまく機能し、NFLのプレーオフは1月の週末になくてはならない風物詩と呼べる存在になっている。


 その人気さらに高めようと、2013年10月に開催されたオーナー会議で、ロジャー・グッデルNFLコミッショナーは、プレーオフ出場チームを1チームずつ増やし、14チーム制にする案を発表した。
記者会見でコミッショナーは「ポストシーズンが拡大すれば、より多くのチームの参加が許されることになる。スーパーボウルで勝つ可能性があるチームがだ。ファンにとっても競争激化は喜ばしいことだろう」と語り、拡大のメリットを強調している。


 ただし、プレーオフのゲーム数が増えると開催期間が長引くことにどう対処するかというスケジューリングの問題や、レギュラーシーズンやプレーオフそのものへの関心が下がる可能性を懸念する声もあって、この案は現在も議論が続いている状況だ。
 NFL人気を盛り上げてきたプレーオフ制度が、今後どうなっていくかも注目である。


記事提供=「NFL Japan BIZ」
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渡辺 史敏 (わたなべ・ふみとし)のプロフィル
1964年生まれ。明治大卒。雑誌編集者を経て1995年に渡米。ニューヨークを拠点にNFLやサッカーなどスポーツ、ITの分野で取材・執筆活動を行う。2014年4月に帰国。フリーランス・ジャーナリスト活動を行う他、NFLの日本窓口、NFL ジャパン リエゾン オフィスのPRディレクターに就任。

【写真】戦力が均衡するNFLでは、プレーオフ争いが激化している(AP=共同)