「サンクスギビングデー、感謝祭」をご存知だろうか。アメリカとカナダの祝日で、アメリカでは11月の第4木曜日だ。
 アメリカに移住したイギリスの清教徒たちが、先住民とともに秋の収穫を祝ったのが始まりとされ、多くの人々が里帰りをし、食事会を開くのが恒例行事となっている。七面鳥が饗されることから「ターキー・デー」と呼ばれたりする、日本のお盆に例えられることもある秋を代表する祝日だ。


 そんな感謝祭の日に開催されるのが「サンクスギビングデー・ゲーム」である。休日であるサンクスギビングデーにフットボールのゲームを行う動きは、NFL設立前の19世紀後半からあったが、NFLで最初に行うようになったのはライオンズで1934年のことだった。


 ライオンズの初代オーナーであるG・Aリチャーズ氏は、オハイオ州ポーツマスを本拠としていたチームを買収し、デトロイトに移転させたが、デトロイトには先にプロチームが存在しており、人気獲得に苦労していたことが発端となっている。
 てこ入れ策としてとられたのが、本来家族と過ごす日に集客を狙うサンクスギビングデー・ゲームだったのだ。


 ライオンズはその後このゲームを継続するが、他のチームは散発的に開催する程度だったようである。そんな中1966年に開催を決めたのがカウボーイズだった。
 当時カウボーイズは1961年に設立されたばかりの新興チームであり、やはり人気獲得策をとる必要があったのである。


 こうしてライオンズとカウボーイズの2チームのホーム・ゲームをサンクスギビングデー・ゲームとして行うことがNFLの伝統として定着することとなった。
 ちなみに両方NFCのチームであることから、テレビの放送権が偏らないよう、どちらか一方のカードはAFCのチームとの対戦とする配慮もされた。


 こうしてサンクスギビングデー・ゲームはアメリカ社会に根付いていったが、さらなる転機が訪れたのが2006年のことである。
 これまで紹介してきたNFLL専門チャンネル、NFLネットワークによって、木曜夜に行われるサーズデーナイト・フットボールの一つがサンクスギビングデーの夜にも行われるようになったのだ。それまでの2ゲームから3ゲームに増えることになったのである。


 これにより、対戦カードにも変化が生まれ、今シーズンは昼間に行われるライオンズとカウボーイズのカードがNFC同士の対戦となった。
 また、サンクスギビングデー・ゲームでは2001年以降、参加チームが昔使っていたデザインのユニホーム、いわゆる「スローバック・ユニホーム」を着用するのも恒例となっている。


 アメリカの伝統行事の一つとして、サンクスギビングデー・ゲームをぜひ楽しんでほしい。


記事提供=「NFL Japan BIZ」
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渡辺 史敏 (わたなべ・ふみとし)のプロフィル
1964年生まれ。明治大卒。雑誌編集者を経て1995年に渡米。ニューヨークを拠点にNFLやサッカーなどスポーツ、ITの分野で取材・執筆活動を行う。2014年4月に帰国。フリーランス・ジャーナリスト活動を行う他、NFLの日本窓口、NFL ジャパン リエゾン オフィスのPRディレクターに就任。

【写真】サンクスギビングデーは米国人にとって重要な祝日だ(AP=共同)