NFLのテレビ中継の基本4パッケージにおいて、ある意味特別な存在なのが「マンデーナイト・フットボール」と「サンデーナイト・フットボール」だ。その名の通りアメリカ東、中西部の月曜夜に開催されるのがマンデーナイト・フットボールで、日曜夜に開催されるのがサンデーナイト・フットボールである。


 大きな特徴は、ともに基本的に1ゲームのみが全米中継される点だ。これは在宅率の高い夜にその週のなかでも人気のカードを中継することで、より多くのファンに視聴してもらおうというアイデアにより生み出されたものである。
 プロフットボールのNFLは日曜午後のもの、というそれまでの習慣を打ち破ったという点において画期的なものだった。


 最初に作られたのはマンデーナイトで、1970年に地上波のABCが放送を開始している。全米中継ということもあり人気の高い実況、解説陣をそろえ、さらにいち早くスローモーションやCGなどの新技術を次々と導入したこともあって、瞬く間に人気番組へと成長した。
 ABCはその後2005年まで放送を続け、以前紹介したように06年からは同じディズニー傘下のスポーツ専門チャンネルESPNが放送している。


 一方このマンデーナイトの成功を受けて、1987年に作られたのがサンデーナイト・フットボールである。
 当初放送権を獲得したのはESPNで、シーズン後半のみの開催だった。1990年からはシーズンを通して開催されるようになったが、放送権はシーズン前半が娯楽系ケーブルチャンネルのTNTが、後半をESPNと二つのチャンネルが持つこととなったのである。
 やはり日曜夜は月曜よりも在宅率が低く、コンテンツの価値として相対的に低いという認識がテレビ業界にはあったようだ。


 しかし98年にESPNがシーズンを通じて放送権を獲得し、放送に力を入れるようになると、サンデーナイトもマンデーナイトと変わらないような人気を獲得するようになる。
 そして大きな転機となったのが、06年だった。地上波のNBCが放送権を獲得したのである。
 この契約にあたり、後で詳しく説明する人気カードを優先的に放送できる「フレキシブル・スケジューリング」が設定された。これによりNFLとNBCはサンデーナイトの価値をさらに高めることに成功したのである。


 ちなみに今年の放送権料は、サンデーナイトが9億5000万ドル(約950億円)、マンデーナイトが19億ドル(約1900億円)と見られている。
 夜に人気カードを全米で見られる、というパッケージを創出することで、NFLは人気と収益を増加させることに成功したのだ。

【写真】全米中継される「サンデーナイト」と「マンデーナイト」=写真提供 NFL JAPAN