関東学生リーグが9月6日に開幕する。今季から「TOP8」として、昨季の1部16チームのうち、上位8校で構成する新たなリーグがスタートする。実力が拮抗し、混戦が予想されるリーグ戦の行方を占ってみた。


 春のオープン戦の印象で各チームの戦力を比較すると、以下のようになる。

① 日大
② 早大
③ 慶大
④ 法大
⑤ 明大
⑥ 中大
⑦ 立教大
⑧ 日体大


 昨年の覇者・日大が他を一歩リードしている。エースQB西澤凌介は、昨季先発を務めた高橋遼平を総合力で上回っている。パスは安定していて、自ら走ることもできる。
 守備もDB下水流裕太やLB趙翔来を筆頭にタレントぞろいだ。大学世界選手権のため主力が抜けた関学大戦では、若手の守備陣が非凡な才能を見せた。


 日大を脅かす存在としては、早大、慶大、法大の3校がほぼ同じレベルで競っている。
 
 早大は早大学院高で高校日本一を経験した選手が全学年にそろう。先発QBは政本悠紀と坂梨陽木が争っている状況だが、政本が安定して力を発揮できるようになれば心強い。
 RB井上広大を中心としたランニングアタックも多彩で、守備もLBケビン・コグラン、峰佑輔を中心に強力だ。昨季のリーグ戦終盤に見せたような大崩れはないだろう。


 慶大はQB高木翼とRB李卓を軸にした攻撃の破壊力は、日大を上回るポテンシャルを秘めている。課題だったオフェンスラインも昨季に比べて成長した。守備はスター選手が不在。DL金子陽亮らフロントの成長が鍵を握るだろう。LBも兼任する弘世頌一朗のパントは大きな武器だ。


 法大の攻撃はQB近藤濯と鈴木貴史の2枚看板が健在だ。昨年はパスの近藤にランの鈴木という印象だったが、法政二高時代から勝負強い鈴木のパスにも注目だ。
 守備は大黒柱のLB田中喜貴(現ノジマ相模原)が抜けたが、主将のDL小林貴、DB宮川周平を中心にスピードがある。WR恒吉幸紀のリターナーとしての能力も秀逸だ。


 明大は赤津裕之がキーマンだ。RBとしての力強い走りに加えて、パンターとしても能力が高く、相手の隙を見逃さない。春に対戦した関学大のコーチ陣の評価も高かった。
 QBの広瀬湧基は昨季に比べてパスが向上しており、オフェンス全体のレベルが上がっている。守備は選手の能力は高いが、うまく相手にアジャストできるかが勝敗を分けそうだ。


 中大は春に法大を破ったことで注目された。ディフェンスはDL甲斐雄高らフロントが安定している。ランに対しての守備は強いだろう。
 攻撃はRB佐久間崚らスピードのあるランナーがそろう。近年は実力が均衡した試合で競り負けている印象がある。勝負どころでの集中力が鍵を握る。


 立教大は大黒柱のRB茂住雄太を中心としたランプレーが持ち味。一方で昨季のエースQB山本貴大の穴が大きく、パス攻撃が課題だ。大型の攻撃ラインは健在なので、地上戦に活路を見いだしたい。
 守備は、LB坂口裕一朗らのスピードを生かしたブリッツを多用する戦術が特徴だ。


 日体大はサイズのある主将LB池田宇宙を中心とした、守備の出来次第か。春はQB吉野泰史を中心としたオフェンスが、一定の得点力を示した。指導するコーチ陣は、元日本代表クラスの人材が各ポジションにそろい、充実してきているだけに、持ち前の身体能力の高さを生かしたいところだ。


 TOP8となったことで、リーグ戦7試合全てで気が抜けない。例年の強豪チームは、リーグ戦の終盤に対戦するライバルとの試合に向けて調子を上げていけばよかったが、今季は試合スケジュールと対戦相手への準備も含めた戦略が求められる。


 例えば、日大にとっては9月28日の早大戦、10月11日の慶大戦が大きな山場となる。慶大のノーハドルオフェンスに対しては、本来もっと準備期間がほしいところだが、早大に対して準備を怠ることができないため、コーチ陣は悩ましいところだろう。


 さらに厳しい日程なのが慶大だ。9月20日の明大戦から、わずか1週間で法大戦を迎える。法大のオフェンスはオプション攻撃を駆使するので、対戦する守備としては入念な準備が必要となる。


 優勝候補の上位チームは、第4節までにほぼ対戦を終えるため、10月中旬には優勝争いの行方がある程度見えてくるだろう。いずれにしろ開幕カードとなる明大―早大から白熱した試合が期待される。(共同通信社 松元竜太郎)

【写真】今季、日大の攻撃をけん引するエースQB西澤=撮影:Yosei Kozano