NFLのレギュラーシーズン・テレビ中継は1987年以降四つの放送パッケージを基本としてテレビネットワークに販売されてきた。
 その四つとは日曜午後のAFCゲームとNFCゲーム、さらに日曜夜に開催されるサンデーナイトと、月曜夜のマンデーナイトだ。


 一方で注目していただきたいのは、アメリカの地上波はABC、CBS、Fox、NBCがいわゆる4大ネットワークを形成している点である。さらにケーブルチャンネルながら1億世帯近くが受信契約をしている、大手スポーツ専門局ESPNも存在している。


 第8回で紹介したように、NFLのテレビ中継は着実に多くの視聴者数が獲得できる各ネットワークとしてはなんとしても放送契約を勝ち取りたい、まさにキラーコンテンツとなっているのだ。
 それゆえ、契約更新時期の前になると各ネットワークがそれぞれの戦略に沿って駆け引きを行い、契約競争が起こるのである。
 四つのパッケージをめぐり、五つのネットワーク、チャンネルが争う形だ。それ故後述するような放送権料の高騰が起こり、NFLの高収益につながるのである。


 現在の契約状況だが、今年から2021年までの8年契約で、AFCをCBSが、NFCをFoxが、サンデーナイトをNBCが、マンデーナイトをESPNが放送する権利を持つ。
 ABCは1982年から2005年までマンデーナイトを放送していたが、以降は4大ネットワークの一つでありながらNFLを放送していない。
 ただABCとESPNは、ともにディズニーの傘下にあるグループ企業であり、グループとしてNFL中継を継続しているのである。


 ちなみにAFCとNFCのチームが対戦する、いわゆるインターカンファレンス・ゲームの中継をCBSとFoxのどちらが放送するかだが、ホームチームのカンファレンス放送権を持つ局と思われるかもしれない。
 しかし、実際は逆のアウェーチームの局となっている。こうすることにより、普段は放送しないスタジアムからの中継が行われることになり、視聴者であるファンへの露出が広がるのだ。


 一方、プレーオフに関してもレギュラーシーズン同様にAFCをCBSが、NFCをFoxが基本的に放送するが、1回戦であるワイルドカードのAFC、NFCの各1試合に関してはNBCが放送するようになっている。
 さらに後で詳しく紹介するが、スーパーボウルに関してはABC、CBS、Foxの三つのネットワークが毎年持ち回りで放送権を持つ。プレーオフ、スーパーボウルにおいては、やはり地上波が優位な立場にいるのだ。


 またオールスターゲームであるプロボウルは、独自の放送権販売がされており、2011年から13年まではNBCが放送し14、15年はESPNが放送する予定だ。
 以上のように放送権のパッケージ化もNFLの大きな成功要因となっているのである。(NFL JAPAN 渡辺 史敏)


渡辺 史敏 (わたなべ・ふみとし)のプロフィル
1964年生まれ。明治大卒。雑誌編集者を経て1995年に渡米。ニューヨークを拠点にNFLやサッカーなどスポーツ、ITの分野で取材・執筆活動を行う。2014年4月に帰国。フリーランス・ジャーナリスト活動を行う他、NFLの日本窓口、NFL ジャパン リエゾン オフィスのPRディレクターに就任。

【写真】週末は全米の視聴者がNFL中継にくぎ付けになる=写真提供:NFL JAPAN