NFLは現在32チームで構成されており、各チームの所属は大きく、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)とAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)に分けられる。


 後から加入したり、移転したチームもあるが、おおまかにいってNFCは1920年に誕生したNFL(設立当初の名称はAPFC)に所属していたチームによって、AFCは1960年に設立されたAFL(アメリカン・フットボール・リーグ)に属していたチームによって構成されているのが特徴だ。


 AFLはNFLに対抗するプロリーグとして作られたもので、傑出した経営手腕を持っていたチーフスの故ラマー・ハント・オーナーを中心に成功を収めている。そして1970年に激しく競争してきたNFLとAFLはほぼ対等な形で合併し、現在のNFLが形作られたのだ。


 その前段階として行われるようになったのがNFLとAFLの優勝チームによるチャンピオンシップゲーム、現在のスーパーボウルである。
 「スーパーボウル」という名称がつけられた第3回以前の2回は「AFLvsNFLワールドチャンピオンシップゲーム」と名付けられていた。
 老舗のNFLと新興AFLのライバル関係は現在もカンファレンスとスーパーボウルには残っているのである。


 さらに両カンファレンスはそれぞれ東西南北の四つの地区に分けられ、各4チームが所属している。「東西南北」という通り、本拠地の場所によって分けられているのが基本だ。
 しかし、地図を見てもらうとわかるが、いくつかのチームは地区と場所が一致していない。例えばNFC東地区に所属するカウボーイズの本拠地ダラスは、アメリカ西部のテキサス州にある。その他の3チームが東海岸沿いの都市に位置しているのに対し、いかにも奇妙だ。


 なぜこんなことになっているかといえば、チーム間のライバル関係によるものである。
 1960年にダラスに設立されたカウボーイズは、当時NFLのチームが東部に偏っていたこともあって、レッドスキンズやジャイアンツとシーズンを競い、ライバル関係を築き上げてきた。それはチームだけでなく、ファンやメディアにおいてもである。このライバル関係は熱狂を生み、そしてビジネス面での大きな成功要素となっているのだ。


 そのため、リーグの合併、拡張、地区再編が行われてもライバルチームは同じ地区に留められているのである。ライバル関係がビジネス面において重要であることをNFLは深く認識しているのだ。(NFL JAPAN 渡辺 史敏)


渡辺 史敏 (わたなべ・ふみとし)のプロフィル
1964年生まれ。明治大卒。雑誌編集者を経て1995年に渡米。ニューヨークを拠点にNFLやサッカーなどスポーツ、ITの分野で取材・執筆活動を行う。2014年4月に帰国。フリーランス・ジャーナリスト活動を行う他、NFLの日本窓口、NFL ジャパン リエゾン オフィスのPRディレクターに就任。

【写真】NFLの各チーム間には、伝統的なライバル関係が存在する=写真提供:NFLJAPAN