早大学院高出身のRB高田ジェームス選手=174センチ、74キロ=が、米カレッジフットボール1部リーグに所属する強豪ユタ大に進学する。高田選手は8月中旬に渡米し、チームに合流する予定だ。


 子どものころからの夢へ、また一歩近づいた。米国人の父親と日本人の母親の間に生まれた高田選手は、幼少時代をニューヨークで過ごした。6歳の時に日本に移住すると、東京の世田谷ブルーサンダースでタッチフットボールを始めた。
 将来はNFLでのプレーを目指すようになり、早い段階で米国の大学への進学を希望していた。早大学院高を卒業後、フットボールチームが1部リーグに所属しているという条件で、多くの大学を受験。見事にアリゾナ州立大、ボイジー州立大、ネバダ大、ウェストバージニア大、ユタ大の5大学に合格した。


 しかし、米国では大学に入れば誰でもフットボールができるわけではない。これら強豪大学のフットボール部は、全米の高校から集められた優秀なスカラーシップ(奨学金)を保証された学生が中心で、ウォークオン(一般入部学生)にとっては狭き門だ。
 実際、高田選手は合格した大学のうち、二つのチームから「今季のロースターは既に決まっている。トライアウトを受けたいなら1年待ってもらうしかない」と、門前払いの扱いだった。
 残った大学についても、何度も渡米する資金面の余裕はなく、交渉過程で最も自分に関心があると感じた、パシフィック12(パック12)に所属するユタ大のトライアウトに挑戦することに決めた。


 トライアウトには自信を持って臨めたという。「早大学院でやってきたことが全て役に立った。アジリティーや基礎的な技術は負けていない」。結果はその場で合格。さらに、高田選手の才能を評価したコーチが、一般入部生としては特別に奨学生と一緒に練習に参加できるよう取りはからうことを約束してくれた。
 だが、高田選手は決して現状を楽観視していない。「最初は練習台として推薦組の相手をするだけ。まともに練習すらできないことも覚悟している。だが、必ずチャンスをつかむ」


 かつてXリーグ富士通のエースWRだったブラッド・ブレナンさんは、ユタ大と同じパック12に所属するアリゾナ大の出身だ。一般入部だったブレナンさんは、推薦組との待遇の違いや厳しさについてこう語っていた。「一般入部生はコーチの視界に入っていない。奨学生を蹴落としてロースターをつかみとらなければ永遠に道は開けない」。ブレナンさんは練習で猛アピールし、2年目に奨学生の待遇を勝ち取った。


 「自分が成功すれば、日本の高校から米国の強豪大学に進学する選手がどんどん増えるだろう」。近年、学生段階で米国に挑戦する若者が確実に増えている。優秀な選手は早い段階で米国に渡る。彼がユタ大で活躍すれば、この流れは間違いなく加速するだろう。
 最終目標は、フットボールの最高峰NFLだ。その頂への道のりは長く険しいが、高田選手の勇気ある挑戦を見守りたい。(共同通信・松元竜太郎)

【写真】早大学院の高校選手権4連覇に貢献したRB高田選手=撮影:seesway、2013年、味の素スタジアム