NFLは現在32チームによって構成されている。パッカーズを除くと各チームは1人もしくは複数のオーナーが所有している企業なのだ。


 最近はチームの資産価値が上がっているため、1人でチームを買収することが難しくなり、グループでチームを所有する例も増えている。ただしその場合でもそのなかの1人は最低30%以上の株を所有することが義務づけられており、誰がチームの代表であるか明確にすることが求められているのだ。


 唯一例外のパッカーズは、1922年に経営悪化から破産し、その後非営利組織として再建された経緯を持つ。それによって現在は数十万人が株を所有するアメリカのメジャー・プロチームで唯一の「市民チーム」となっている。その歴史から前述のオーナー規定からも除外されているのだ。


 そして各チームから1名のオーナーが出席して開催されるのがNFLの最高意思決定機関であるオーナー会議だ。ルール改正やシーズンなどの重要項目は、全てオーナー会議で決められるのである。


 議論されるのはフットボールに直接関係するものばかりではない。各チームは企業として、当然それぞれに業績アップを図る意図を持つ。それぞれの方針、戦略などが相容れないことも時には起こりうるのだ。そんなときにオーナー会議での決議は非常に大きな役割を果たすのである。


 過去にはリーグが公式スポンサーとして契約した飲料メーカーと、あるチームが契約したメーカーが違ったうえ、両社がライバル関係にあったため、リーグとチームが激しく対立したこともあった。
 全体での成功を追い求めるのがNFLの特徴ではあるが、だからといって各チームは自分たちの利益拡大の姿勢を決して緩めているわけではないのである。


 それ故に、コミッショナーを頂点とするリーグ側が各チーム、オーナーとの間に入って調整役を担い、リーグ全体での成長を促す大きな力も不可欠となっているのだ。(NFL JAPAN 渡辺 史敏)


渡辺 史敏 (わたなべ・ふみとし)のプロフィル
1964年生まれ。明治大卒。雑誌編集者を経て1995年に渡米。ニューヨークを拠点にNFLやサッカーなどスポーツ、ITの分野で取材・執筆活動を行う。2014年4月に帰国。フリーランス・ジャーナリスト活動を行う他、NFLの日本窓口、NFL ジャパン リエゾン オフィスのPRディレクターに就任。

【写真】NFLのオーナーら=写真提供:NFL JAPAN